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スタニスラフ・ネイガウス - Wikipedia

スタニスラフ・ネイガウス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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スタニスラフ・ゲンリホヴィチ・ネイガウスСтанислав Генрихович Нейгауз, Stanislav Genrikhovich Neuhaus 1927年3月21日-1980年1月24日)はロシアピアニストゲンリッヒ・ネイガウスゲンリフ・ネイガウス)(以下G・ネイガウス)の息子である。以下S・ネイガウスと称する。(Нейгаузはラテン文字ではNeygauz, Nejgauz, Neygausなどとも表記される)

後年身内が次々に死去。本人も晩年はパステルナーク家で過ごし、52歳で死去。原因は不明とされている。愛称「スターシク」。

目次

[編集] 演奏の特徴

基本的にネイガウス親子に共通して伺えた点は、特に録音がライブでの物が多いという事を考慮しても、互いに両者とも激しい、という事の一点に尽きる。

S.ネイガウスの演奏を聴いたナターリヤ・ジミャーニナによれば「彼は時折すべてをなげうつ献身的な演奏を見せ、頂点に向かって恐ろしい勢いでかけ上がろうとする。しかし、そのつけが回って健康を害し、まるで一歩一歩、自分から死に近づいているようだった」という程のものである。

S・ネイガウスとG・ネイガウスの演奏は両者共楽譜に忠実であり特にテンポの設定に関して厳格な態度を有しており、テンポルバートに関しても誇張した使用は極力避けている。解釈に関して妙な事はほとんど皆無に等しい。

[編集] 録音

ショパンではソナタ23バラード全曲舟歌ワルツ3、5、8、12番、スケルツォ2番幻想曲、マズルカ数曲、ノクターン5番8番ポロネーズ2番、エチュード「エオリアンハープ」「大洋」、幻想ポロネーズ

ソナタ3番は当時ネイガウスの右に出るものはいないと言われていた。ソナタ2番は終楽章が終わった直後に「ブラボー!」と入っている。幻想ポロネーズもソフロニツキーが「これはネイガウスのための曲だ」と述べた。G・ネイガウスは「パン・タデウシュ」と結び付けて解釈していた。尚バラードに関しては4番が3種類程録音があり、他は各2種類録音がある。舟歌もスタジオ録音と最後のリサイタルでの録音がある。

リストは巡礼の年から数曲。忘れられたワルツ。葬送曲では左手のトランペットを思わせる音を表している。

ベートーヴェンではソナタ27・31・32番等。

モーツァルトはソナタk545と有名な短調のしか弾いてない。

G.ネイガウスとの共演した有名な2台のピアノのためのソナタがあるが、親子の共演は頻繁に行われていた。

アレンスキーの2台のピアノのための組曲第2番シルエットも録音が残っている。

スクリャービンは前奏曲も練習曲もソナタの演奏に関してはかなり技巧的面で厳格な態度で弾いている。怯むこと無く前進する精悍さはネイガウスの大きな特徴である。これはショパンのソナタ、バラード等でも同じである。ネイガウスはスクリャービンの初期の作品がショパンから派生したものとして評価していたが後期の作品がスクリャービン本来の世界だとして高く評価していた。スクリャービンに関しては若くして既にG・ネイガウスが認める程の出来であった。

ドビュッシーでは版画と前奏曲数曲とベルガマスク組曲。

ラフマニノフは前奏曲と練習曲から数曲。エレジー。 どれも厳格な仕上がりとなっている。スタニスラフの暗いロマンティズムを味わうにはこれで十分過ぎる程だ。

プロコフィエフではソナタ8番、悪魔的暗示、追憶、ガヴォット、ダンス等を弾いている。どれも剛健なスタイルである。

シューベルト ソナタ13番と即興曲1番が唯一残されている。 ソナタはとてもやさしさに溢れていた。即興曲は晩年近いネイガウスの心境を表していたものだろう。 パステルナークがシューベルト嫌いだったため パステルナークが死去した後、彼はシューベルトに取り掛かり始めたという訳である。録音は無いが「楽興の時」、リスト編曲の歌曲等をライブ演奏している。

[編集] 息子との関係

スタニスラフ・ブーニンの父に当たるが、ブーニンとS・ネイガウスとの関係は希薄といわれていた。S・ネイガウスは、ブーニンを生んだ後に妻のリュドミナ・ブーニナと口論した末に別れ、妻の方がブーニンを引き取った。これは直接S・ネイガウスからピアノは習っていないという事になる。故にブーニンはその後ゴリデンヴェイゼル派のピアニズムに属したのであり、ネイガウス系統には入らなかった。

ブーニンの祖父に当たるG・ネイガウスはブーニンが生まれる頃には死去しているが、S・ネイガウスの演奏はモスクワ音楽院ライブ等で直接聴いていた。ブーニンも母親から自分の父親が偉大なピアニストである事は聞かされていた。

[編集] 関連項目


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