スクリューボール・コメディ
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スクリューボール・コメディ(Screwball comedy)は映画のジャンルのひとつで、主に1930年代から1940年代にかけてアメリカで流行したロマンティック・コメディ映画群を指す。その特徴は、常識外れで風変わりな男女が喧嘩をしながら恋に落ちるというストーリーにある(スクリューボールとは野球における変化球の一種のひねり球で、転じて奇人・変人の意味を持つ)。
また、この時期にはヘイズ・コードと呼ばれる映画製作倫理規定によって性的描写の禁止が厳しく、男女の肉体的な愛は一切描かれなかった。むしろそこに行き着くまでの長い道のりを面白おかしく描いたのである。表現が規制されていたために製作者たちは頭を振り絞り、良質の作品が作られたという考えもある。スクリューボール・コメディの第1号は「或る夜の出来事」であり、この作品が成功したことによってスクリューボール・コメディと呼ばれる作品が多く作られた。
[編集] スクリューボール・コメディの代表作
- 或る夜の出来事 -It Happened One Night(1934年)
- 襤褸と宝石 -My Man Godfrey(1936年)
- 新婚道中記 -The Awful Truth(1937年)
- 赤ちゃん教育 -Bringing Up Baby (1938年)
- フィラデルフィア物語 -The Philadelphia Story(1940年)
- ヒズ・ガール・フライデー -His Girl Friday(1940年)
- レディ・イヴ(淑女になったイブ) -The Lady Eve(1941年)
- パームビーチ・ストーリー(結婚五年目) -The Palm Beach Story(1942年)
- いとしの殿方 -My Man Godfrey (1957年)