スカルン
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スカルン(skarn)とは、石灰岩や苦灰岩などの炭酸塩岩中に花崗岩などのマグマが貫入してきた際、その接触部付近にできる鉱物の集合体(変成岩)。カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウムなどに富むケイ酸塩鉱物(スカルン鉱物)ができる。
マグマからケイ酸や鉄、アルミニウムなどが石灰岩の方に移動し、石灰岩中のカルシウムと反応して鉱物ができる。物質によって移動距離が異なるので、鉱物種ごとに帯状構造を示すことがある。物質の移動には直接浸透と熱水の介在による移動が存在し、熱水の影響が大きい場合は、変成はしばしば広範囲に及ぶ。
なお、マグマの熱により、石灰岩は結晶質石灰岩に変わっている。
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[編集] スカルン鉱物
主なスカルン鉱物(skarn mineral)。
- 柘榴石
- 灰鉄柘榴石 - Ca3Fe3+2(SiO4)3
- 灰礬柘榴石 - Ca3Al2(SiO4)3
- ベスブ石 - Ca19(Fe,Mn)(Al,Mg,Fe)8Al4(F,OH)2(OH,F,O)8(SiO4)10(Si2O7)4
- 緑簾石 - Ca2Fe3+Al2(Si2O7)(SiO4)O(OH)
- 輝石
- 珪灰石 - Ca3Si3O9
[編集] 高温型スカルン
花崗岩の固結温度よりも高温で生成されたスカルンを高温型スカルンとよぶ。世界的にも産地がほとんどないため、珍しい鉱物が産出する。
- ゲーレン石 - Ca2Al(AlSi)O7
- スパー石 - Ca5(SiO4)2(CO3)
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 益富壽之助 『原色岩石図鑑 全改訂新版』 保育社、1987年、ISBN 4-586-30013-2。
- 野瀬重人・沼野忠之 『岡山の岩石』 日本文教出版〈岡山文庫〉、2001年、ISBN 4-8212-5212-0。