ジャン・ジロー
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ジャン・ジロー(Jean Giraud、男性、1938年5月8日 - )は、フランスの漫画家である。
ジローは彼自身の本名のみにとどまらず、ペンネームのメビウス (Moebius) においても世界的な成功を収めており、更にジル (Gir) の名でもある程度の人気を得ている。
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[編集] 経歴
ジャン・アンリ・ガストン・ジローは、1938年にパリ郊外のノジャン・シュル・マルヌで生まれた。16歳で、ジローはArts Appliqués(応用美術)の独習を開始した。18歳の時に、ジローの漫画作品『Frank et Jeremie』がFar West誌に掲載された。1961年に、ジローは当時のヨーロッパを代表する漫画家であったジジェの許に弟子入りし、『Jerry Spring』の制作に加わった。1962年にジローは原作者のジャン・ミシェル・シャルリエと共に、Pilote 誌で『Fort Navajo』の連載を開始した。この作品は大きな成功を収め、1974年まで中断されることなく続いた。ジローとシャルリエにより『Fort Navajo』で登場したブルーベリー中尉はたちまち人気キャラクターとなり、ブルーベリー中尉が活躍するスピンオフ西部劇作品『Blueberry』はジローの生地フランスで最も知名度の高いジローの作品となった。フランスにおけるジローの名声は極めて高いものであり、彼を記念する郵便切手が発行されたほどであった。また、ジローは彼の本名とジル(Gir)の筆名で、オークレールやタルディなどの他の作家のために多数の原作を手掛けた。
ジローがSF作品とファンタジー作品のために用いているペンネームであるメビウス (Moebius) は、1963年に生まれた。『Hara-Kiri』と題された風刺雑誌で、メビウスは1963年から1964年までに21作の漫画を執筆し、その後10年間メビウスの名は行方不明であった。1975年に、彼自身が創刊者の一人として名を連ねるメタル・ユルラン誌でメビウスは復帰し、1981年に『謎の生命体アンカル』 (原題: L'Incal) シリーズを、映画監督としても著名なアレクサンドロ・ホドロフスキーの原作で連載開始した。メビウスの代表作である『Le Garage hermétique』シリーズと、革命的な『アルザック』 (Arzach) シリーズも、メタル・ユルランで連載された作品である。
メビウスは多数のSF映画でストーリーボードやデザイン案を手掛けている。1982年に、メビウスはルネ・ラルー監督による、ステファン・ウルの原作小説に基づくSFアニメーション映画『時の支配者』 (原題: Les Maîtres du temps) に参加。公式にクレジットされてはいないが、同年のリドリー・スコット監督によるSF映画『ブレードランナー』にも主要キャラクターの衣装デザイナーとして参加している。また、同作品の画期的な「混沌とした未来社会のイメージ」は、メビウスの作品からインスパイアされたものであり、メビウスが作りだした未来社会のイメージはこの映画を経由して、多くのサブカルチャーに影響を与えた。
1988年には、スタン・リーと共に、アメリカン・コミックのキャラクターであるシルバーサーファーが登場する上下編の特別作品を執筆した。映画『クリムゾン・タイド』の劇中では、デンゼル・ワシントン演じるロン・ハンター少佐により、メビウスのサーファーはジャック・カービーによるサーファーとは別物であると、やや悪意を込めて言及される(この場面はクレジットに表記されていないクエンティン・タランティーノにより執筆された)。メビウスことジローは映画監督の宮崎駿の友人としても知られている。彼ら二人は、2004年12月から翌年3月まで、パリ造幣局で両者の作品の展示会を共同で開催した。
2007年の時点で、ジャン・ジローはジャン・ヴァン・アムの原作による『La Version irlandaise』と題された『XIII』シリーズのエピソードを執筆中である。ジローによる『XIII』の新刊は、通常のヴァン・アム作、ウィリアム・ヴァンス画による『Le Dernier Round』と共に、2007年11月に発行が予定されている[要出典]。
ジローと宮崎駿は互いのファンであり、長年の親交を保っている。宮崎はメビウスの『アルザック』から多大な影響を受けたと語っている。2004年にはパリで共同展示会を開催した。また、ジローは風の谷のナウシカにちなんで、長女を Nausicaä と名付けた[1][2]。
[編集] 主要作品
- 『ブルーベリー』シリーズ Blueberry (1963年~)
- 『アルザック』 Arzach (1976年、メビウス名義)
- Le Garage Hermétique de Jerry Cornelius (1976年~1980年、メビウス名義)
- 『謎の生命体アンカル』シリーズ L'Incal (1981年~1988年、メビウス名義)
- Le Monde d'Edena (1985年~2001年、メビウス名義)
- 『シルバーサーファー:パラブル』 Silver Surfer: Parable (1988年~1989年、メビウス名義)
- Halo Graphic Novel (2006年)
[編集] 映画作品
- 『エイリアン』(1979年、初期コンセプトおよびノストロモ号の宇宙服デザイン)
- 『時の支配者』(1982年、美術デザイン)
- 『トロン』(1982年、舞台およびコスチュームデザイン)
- Masters of the Universe (1987年、舞台およびキャラクターデザイン)
- 『ウィロー』(1988年、クリーチャーデザインおよびストーリーボード)
- 『アビス』(1989年)
- 『リトル・ニモ』(1989年、脚本)
- 『フィフス・エレメント』(1997年、デザイン)
[編集] ビデオゲーム
- 『パンツァードラグーン』(1995年)
[編集] 参考文献
- ^ Bordenave, Julie, Miyazaki Moebius : coup d'envoi, AnimeLand.com. 2008-05-18 閲覧
- ^ 三鷹の森ジブリ美術館, ed., 美術館日誌 2002年08月01日 (木), 徳間記念アニメーション文化財団. 2008-05-18 閲覧
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Notice for an exhibition of Giraud/Moebius' work
- Comic Book Awards Almanac
- Moebius Discussion Group
- Moebius IMDb profile