ジェイ・フォレスター
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ジェイ・ライト・フォレスター(Jay Wright Forrester、1918年7月14日 - )はアメリカの情報工学の先駆者。1950年代初めにWhirlwind計画を指揮し、今日のRAMの先駆けとなる磁気コアメモリの実用化に大きな役割を果たした。また、彼はコンピュータグラフィックス史上初のアニメーションも作っており、オシロスコープ上で跳ね回るボールを描いた。
ネブラスカ州 Anselmo の近くの小さな町 Climax で生まれたフォレスターはシステムダイナミックスの生みの親である。システムダイナミックスとは、力学系におけるオブジェクト間の相互作用のシミュレーション手法である。システムダイナミックスに関するフォレスターの最初の著書 Industrial Dynamics(産業のダイナミックス)では産業ビジネスサイクルの分析を行っている。数年後、前ボストン市長 John F. Collins とのやりとりを元にフォレスターは Urban Dynamics(都市のダイナミックス)を書いた。これは広範囲な社会問題をモデル化できるかどうかという今も進行中の議論を引き起こした。
アーバン・ダイナミックスモデルのユニークな洞察は、世界中の都市計画関係者の注意を引き付け、フォレスターはローマクラブの創立者と会うことになった。彼はローマクラブとのグローバルな持続可能性に関する議論を元に World Dynamics(世界のダイナミックス)という本を書いた。この本では、世界の経済、人口、エコロジーの複雑な相互作用のモデリングを行っており、多くの誤解を生むこととなったのは無理も無いことである(ドネラ・メドウズの『成長の限界』など)。
フォレスターはシステムダイナミックスに多くの貢献をし、現在もシステムダイナミックスを教え続けている。彼は 1972年にIEEE栄誉賞を、1982年にIEEEコンピュータパイオニア賞を授与された。現在はMITスローン経営学大学院の Germeshausen 名誉教授でありシニア講演者である。
[編集] 著作
- Industrial dynamics, Waltham, MA: Pegasus Communications. (1961年)
- Principles of Systems, (2nd ed.). Waltham, MA: Pegasus Communications. (1968年)
- Urban Dynamics, Waltham, MA: Pegasus Communications. (1969年)
- World Dynamics, Waltham, MA: Pegasus Communications. (1973年)
- Collected Papers of Jay W. Forrester, Waltham, MA: Pegasus Communications. (1975年)
[編集] 外部リンク
いずれも英文
- Selection of his papers
- Article: Designing the Future in pdf
- Article: Counterintuitive Behavior of Social Systems in pdf in html