ザウバー・C8/メルセデス
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ザウバー・C8/メルセデスは1985年ル・マン24時間レース用にスイスのコンストラクターであるザウバーが製作したグループCカーである。
1955年ル・マンでの大事故以来、モータースポーツの世界から離れていたメルセデス・ベンツが本格的にレース活動を再開するためのきっかけとなったマシンと言える。
C8のシャシーは、前年までBMWエンジンを搭載していたC7(1983年WEC富士にも来日)と基本的に同一。これにスイス・マーダーチューンのメルセデス製5リッターV8ツインターボM117を搭載する。デビュー戦となった1985年ル・マンでは予選中にユノディエールでマシンが飛び上がり空中で一回転するアクシデントが発生、決勝の出走は断念した。この年はWEC富士のエントリーリストにも名を連ねたが、結局実戦デビューは見送られた。
翌1986年、クーロスがスポンサーに付き、世界スポーツプロタイプカー選手権(WSPC)にシリーズ参戦を開始する。事実上のデビュー戦である開幕戦モンツァでは9位で完走(ドライバーはニールセン/ペスカロロ)。2カーエントリーで挑んだ第3戦ル・マンでは2車ともリタイヤに終る。雨中のレースとなった第7戦ニュルブルクリンクでは、シリーズ参戦1年目にして早くも優勝を遂げる。