クリーブランド・キャバリアーズ
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クリーブランド・キャバリアーズ | |
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創設 | 1970年 |
チーム史 | クリーブランド・キャバリアーズ (1970年-) |
アリーナ | クイックン・ローンズ・アリーナ |
本拠 | オハイオ州クリーブランド |
チームカラー | ワイン色、金、ダーク・ブルー、白 |
チームロゴ | バスケットボールを背景にCavaliersというロゴを金の剣が貫いている。 |
ヘッドコーチ | マイク・ブラウン |
オーナー | ダン・ギルバート デヴィッド・カッツマン アッシャー・レイモンド |
優勝歴 | 0回 |
ファイナル進出 | 1回(2007年) |
地区優勝 | 1回(1976年) |
クリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)は、アメリカ合衆国オハイオ州クリーブランド市に本拠を置く全米プロバスケットボール協会(NBA)のチーム。略してCAVS(キャブス)[1]、キャブズとも呼ばれる。イースタン・カンファレンス、セントラル・ディビジョン所属。
目次 |
[編集] 歴史
[編集] 初期
クリーブランド・キャバリアーズは、1970年に創設された。チームが初代監督に迎えたのはビル・フィッチだった。多くの新興チームと同様設立後数年は低い成績にとどまることを余儀なくされ、1年目は15勝67敗、その後数シーズンも勝率4割に届かない時代が続いた。
5年目の1975-76シーズンにチーム成績は49勝33敗、フィッチは最優秀監督賞を受賞。プレーオフにも初めて進出した。その後勝率は5割前後を行き来し、1979年を最後にフィッチはチームを去ることになった。
1980年代には、新たにオーナーになったテッド・ステピエンが頻繁に監督を交替させ、チーム成績は低迷した。ステピエンはドラフトの1順目指名権をしばしばトレードしようとしたため、リーグは1順目指名権を2年以上連続でトレードしてはならないという規則を設けた。これは「ステピエン・ルール」と俗に呼ばれた。
[編集] ブルズの壁
1983年にゴードン、ジョージのガンド兄弟がチームを買い取ると、チームは回復の準備を整え始めた。1986年にはレニー・ウィルケンズが監督に就任、ドラフトでブラッド・ドアティとロン・ハーパーを獲得。さらにドラフトによりマーク・プライスの指名権を得たことでチームは徐々に上向き始め、1989年には57勝をあげた。マジック・ジョンソンに「90年代を代表するチームになるだろう」と高い評価を受けていたが、この年のプレーオフでチームは接戦の末マイケル・ジョーダンの活躍もありシカゴ・ブルズに敗れる。このように、ジョーダンはキャブス戦に滅法強く、自己最高得点の69点をマークした相手もキャブスだった。キャブスは翌シーズン途中でハーパーをトレードし、以降の数年間チームはプライス、ドアティがチームを牽引。1992年に57勝、1993年に54勝をあげたものの、プレーオフでは連続でブルズに敗退した。ジョーダン率いるブルズに勝つ事が出来ずにチームは再編を余儀なくされた。
[編集] フラテロ時代と低迷期
1993-94シーズンには新たにマイク・フラテロ監督を迎えた。以後数年チームは主力の怪我に悩まされ、1991年に獲得したテレル・ブランドンら好選手がチームを支えた。フラテロ時代のキャブスは、低得点で勝ちを狙う戦術を採用した。チーム成績は勝率5割を越える程度で数年推移し、地味な戦術の結果集客は伸び悩んだ。1997-98シーズンには、ブランドンとタイロン・ヒルを出しショーン・ケンプをトレードで獲得、ジードルナス・イルガスカス、ブレビン・ナイトら4人のルーキーの活躍でプレーオフに返り咲いたが、ロックアウトで短縮された1998-99シーズンは、イルガウスカス、ナイトの故障が響き、終盤7連敗、22勝28敗と勝率は5割を切り、フラテロにとってキャブスでの最後のシーズンになった。
その後数年にわたり、チームは監督を毎年交代させた。太りすぎて精彩を欠いたケンプ、イルガウスカスの度重なる故障によりチームは再び低迷し、勝率は4割以下、2002-03シーズンには17勝65敗まで落ち込んだ。
[編集] レブロンの時代
しかしキャブスはこの成績によりドラフト1位指名権を獲得、レブロン・ジェームズを指名した。ジェームズは翌シーズン新人王を受賞した。2004-05シーズンには一時期プレーオフ争いの東カンファレンス5位につけていたが終盤チームは失速。8位争いをしていたニュージャージー・ネッツと勝利数で並んだが、惜しくもプレーオフ進出を逃した。
2005-06シーズンには、1997-98シーズン以来のプレーオフ進出を東カンファレンス4位で果たし、1回戦ではワシントン・ウィザーズと対戦した。第5戦、第6戦はオーバータイムにもつれこむ接戦だったが、この2試合とも勝利して4-2でプレーオフ2回戦へと進出した。デトロイト・ピストンズ(この年ホームではわずか3敗しかしていない)と対戦し、1、2戦を落とした後、敵地の第5戦を含む3、4、5戦を勝利したが、地元での第6戦、そして第7戦を落として敗れた。この第7戦でキャブスは不名誉な記録2つを記録した。1つはプレーオフ第7戦での最少得点記録(61)、もう1つは試合後半得点23である。
2006-07シーズンは、前年に続いてプレーオフ進出を果たした。シーズン最終盤までもつれたシカゴ・ブルズとの第2シード争いに競り勝ち、1回戦は第7シードのワシントン・ウィザーズに4-0で勝利(キャブスでは今までプレイオフでスウィープ勝ちはなかったが、今回で初めてとなった。)、カンファレンス準決勝では4-2で第6シードニュージャージー・ネッツに勝利した。下位シードとの2回戦を勝ち抜いて対戦した東カンファレンス1位のデトロイトとのカンファレンス決勝では、初戦、第2戦と敵地デトロイトでの対戦で敗れたものの、ホームに戻っての第3・4戦を連勝し対戦成績をタイに戻した後は、敵地での第5戦に2回の延長の末、勝利して3連勝でホームコート・アドバンテージを奪った。第6戦はホームのアリーナでピストンズを98-82で破り、4-2で初めてのNBAファイナル進出を達成した。
2007-08シーズンのトレードデッドラインなんと1分前で、ドリュー・グッデン、ラリー・ヒューズらと、ディフェンスの名手ベン・ウォレス、シュート力のあるデロンテ・ウェスト、ウォーリー・ザービアック、ベテランのジョー・スミスとのトレードをシカゴ・ブルズとシアトル・スーパーソニックスとの三角トレードで合意した。
[編集] シーズンごとの成績
Note: 勝 = 勝利数, 敗 = 敗戦数, % = 勝率 %
シーズン | 勝 | 敗 | % | プレーオフ | 結果 |
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クリーブランド・キャバリアーズ | |||||
1970-71 | 15 | 67 | .183 | ||
1971-72 | 23 | 59 | .280 | ||
1972-73 | 32 | 50 | .390 | ||
1973-74 | 29 | 53 | .354 | ||
1974-75 | 40 | 42 | .488 | ||
1975-76 | 49 | 33 | .598 | カンファレンス準決勝勝利 カンファレンス決勝敗退 |
キャブス 4, ワシントン 3 セルティックス 4, キャブス 2 |
1976-77 | 43 | 39 | .524 | 1回戦敗退 | ワシントン 2, キャブス 1 |
1977-78 | 43 | 39 | .524 | 1回戦敗退 | ニックス 2, キャブス 0 |
1978-79 | 30 | 52 | .366 | ||
1979-80 | 37 | 45 | .451 | ||
1980-81 | 28 | 54 | .341 | ||
1981-82 | 15 | 67 | .183 | ||
1982-83 | 23 | 59 | .280 | ||
1983-84 | 28 | 54 | .341 | ||
1984-85 | 36 | 46 | .439 | 1回戦敗退 | セルティックス 3, キャブス 1 |
1985-86 | 29 | 53 | .354 | ||
1986-87 | 31 | 51 | .378 | ||
1987-88 | 42 | 40 | .512 | 1回戦敗退 | ブルズ 3, キャブス 2 |
1988-89 | 57 | 25 | .695 | 1回戦敗退 | ブルズ 3, キャブス 2 |
1989-90 | 42 | 40 | .512 | 1回戦敗退 | シクサーズ 3, キャブス 2 |
1990-91 | 33 | 49 | .402 | ||
1991-92 | 57 | 25 | .695 | 1回戦勝利 カンファレンス準決勝勝利 カンファレンス決勝敗退 |
キャブス 3, ネッツ 2 キャブス 4, セルティックス 3 ブルズ 4, キャブス 2 |
1992-93 | 54 | 28 | .659 | 1回戦勝利 カンファレンス準決勝敗退 |
キャブス 3, ネッツ 2 ブルズ 4, キャブス 0 |
1993-94 | 47 | 35 | .573 | 1回戦敗退 | ブルズ 3, キャブス 0 |
1994-95 | 43 | 39 | .524 | 1回戦敗退 | ニックス 3, キャブス 1 |
1995-96 | 47 | 35 | .573 | 1回戦敗退 | ニックス 3, キャブス 0 |
1996-97 | 42 | 40 | .512 | ||
1997-98 | 47 | 35 | .573 | 1回戦敗退 | ペイサーズ 3, キャブス 1 |
1998-99 | 22 | 28 | .440 | ||
1999-2000 | 32 | 50 | .390 | ||
2000-01 | 30 | 52 | .366 | ||
2001-02 | 29 | 53 | .354 | ||
2002-03 | 17 | 65 | .207 | ||
2003-04 | 35 | 47 | .427 | ||
2004-05 | 42 | 40 | .512 | ||
2005-06 | 50 | 32 | .610 | 1回戦勝利 カンファレンス準決勝敗退 |
キャブス 4, ウィザーズ 2 ピストンズ 4, キャブス 3 |
2006-07 | 50 | 32 | .610 | 1回戦勝利 カンファレンス準決勝勝利 カンファレンス決勝勝利 NBAファイナル敗退 |
キャブス 4, ウィザーズ 0 キャブス 4, ネッツ 2 キャブス 4, ピストンズ 2 スパーズ 4. キャブス 0 |
2007-08 | 45 | 37 | .549 | ||
Totals | 1394 | 1690 | .452 | ||
Playoffs | 38 | 59 | .391 | (06-07カンファレンス決勝まで) |
[編集] 選手
[編集] 年代別主要選手
太文字…殿堂入り選手 (C)…優勝時に在籍した選手 (M)…在籍時にMVPを獲得した選手 (50)…偉大な50人
1970年代
- ビンゴ・スミス (Bingo Smith) :1970-1979
- オースティン・カー (Austin Carr) :1971-1979
- レニー・ウィルケンズ (Lenny Wilkens) :1972-1974
- ジム・チョーンズ (Jim Chones) :1974-1979
- キャンピィ・ラッセル (Campy Russell) :1974-1980
- ネート・サーモンド (Nate Thurmond) :1975-1977 (50)
1980年代
- ワールド・B・フリー (World B. Free) :1982-1986
- ウェイン・エンブリー (Wayne Embry) :1986-1999
- マーク・プライス (Mark Price) :1986-1995
- クレイグ・イーロー (Craig Ehlo) :1986-1993
- ブラッド・ドーアティ (Brad Daugherty) :1986-1994
- マーク・プライス (Mark Price) :1986-1995
- ホットロッド・ウィリアムズ (Hot Rod Williams) :1986-1995
- ラリー・ナンス (Larry Nance) :1988-1994
- スティーブ・カー (Steve Kerr) :1989–1992
1990年代
- ダニー・フェリー (Danny Ferry) :1990-2000
- テレル・ブランドン (Terrell Brandon) :1991-1997
- ボビー・フィリズ (Bobby Phills) :1991-1997
- タイロン・ヒル (Tyrone Hill) :1993-1997、2001-2003
- ジードルナス・イルガスカス (Zydrunas Ilgauskas) :1996-
- ショーン・ケンプ (Shawn Kemp) :1997-2000
- ブレビン・ナイト (Brevin Knight) :1997-2000
- アンドレ・ミラー (Andre Miller) :1999–2002
2000年代
- リッキー・デイビス (Ricky Davis) :2001-2004
- カルロス・ブーザー (Carlos Boozer) :2002-2004
- レブロン・ジェームズ (LeBron James) :2003-
- ラリー・ヒューズ (Larry Hughes) :2005-2008
[編集] 永久欠番
- 7 ビンゴ・スミス (Bingo Smith)
- 22 ラリー・ナンス (Larry Nance)
- 25 マーク・プライス (Mark Price)
- 34 オースティン・カー (Austin Carr)
- 42 ネート・サーモンド (Nate Thurmond)
- 43 ブラッド・ドーアティ (Brad Daugherty)
[編集] 現在の所属選手
- デビン・ブラウン (Devin Brown)
- ダニエル・ギブソン (Daniel Gibson)
- ジードルナス・イルガスカス (Zydrunas Ilgauskas)
- レブロン・ジェームズ (LeBron James)
- デイモン・ジョーンズ (Damon Jones)
- ドゥウェイン・ジョーンズ (Dwayne Jones)
- アレクサンダー・パブロビッチ (Aleksandar Pavlović)
- エリック・スノウ (Eric Snow)
- ジョー・スミス (Joe Smith)
- ウォーリー・ザービアック (Wally Szczerbiak)
- アンダーソン・ヴァレジャオ (Anderson Varejão)
- ベン・ウォーレス (Ben Wallace)
- デロンテ・ウェスト (Delonte West)
[編集] コーチ、その他
- マイク・ブラウン (Mike Brown)
[編集] 歴代ヘッドコーチ
- ビル・フィッチ (Bill Fitch) (1970-71/1978-79)
- スタン・アルベック (Stan Albeck) (1979-80)
- ビル・マッセルマン (Bill Musselman) (1980-81)
- ドン・デラニー (Don Delaney) (1980-81/1981-82)
- ボブ・クロッペンバーグ (Bob Kloppenburg) (1981-82)
- チャック・デイリー (Chuck Daly) (1981-82)
- ビル・マッセルマン (Bill Musselman) (1980-81)
- トム・ニッソーク (Tom Nissalke) (1982-83/1983-84)
- ジョージ・カール (George Karl) (1984-85/1985-86)
- ジーン・リトルズ (Gene Littles) (1985-86)
- レニー・ウィルキンス (Lenny Wilkins) (1986-87/1993-94)
- マイク・フラテロ (Mike Fratello) (1993-94/1999-00)
- ランディ・ホイトマン (Randy Whitman) (1999-00/2000-01)
- ジョン・ルーカス (John Lucas) (2001-02/2002-03)
- キース・スマート (Keith Smart) (2002-03)
- ポール・サイラス (Paul Silas) (2003-04/2004-05)
- ブレンダン・マローン (Brendan Malone) (2004-05)
- マイク・ブラウン (Mike Brown) (2004-05/)
[編集] 殿堂入り
- ウェイン・エンブリー (Wayne Embry)
- レニー・ウィルケンズ (Lenny Wilkens)
[編集] チーム記録
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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イースタン・カンファレンス | ||||||
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ウェスタン・カンファレンス | ||||||
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その他 | ||||||
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