ガタノトーア
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ガタノトーア(英:Ghatanothoa、邦訳はガタノソア、ガタノゾーアとも)は、クトゥルフ神話に登場する架空の神性。
ヘイゼル・ヒールドの短編『永劫より』中の伝説に登場(ただし、実質的な作者はハワード・フィリップス・ラヴクラフト)。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
ユゴス星の生物が崇拝し、彼らとともに地球にやって来た。
原始ムー大陸(ヒューペルボリア)で20万年前から確認されているとされる。原始ムー大陸の聖地クナアの中心部にそびえるヤディス=ゴー山の頂にユゴス星よりのものが造り支配した巨大な要塞があり、その地下の穴倉に身を横たえていた。クナアにはガタノトーアを崇拝する教団があり毎年12名の若い戦士と12名の娘を生贄にしていた。クナアおよびムーのすべての土地がガタノトーアに恐怖した為、ガタノトーアの神官たちは絶大な権力を握るが、トヨグという神官がガタノトーアを打ち倒す試みをする。赤い月の年(フォン・ユンツトによれば紀元前173148年)の時である。
ガタノトーアの姿を一目見たものは肌が石化や革に変じてしまうが、脳だけは半永久的に生き続ける。またガタノトーアの姿を忠実に模した彫刻を見るだけでも体に変異が生じるといわれる。その姿は定かではないが伝承によれば「巨大で、触腕があり、長い鼻が備わり、蛸の目を持ち、なかば不定形で、可塑性があり、鱗と皺に覆われている」とされる。
ムー大陸の水没とともに海底に沈んだが、ガタノトーアの信仰は環太平洋を中心に世界各地で見られ、後のアトランティス、エジプト、カルデア、ペルシア、中国、メキシコ、ペルーなどで確認されている。フォン・ユンツトによれば、伝説の地下世界クン=ヤン(崑央)でも崇拝されたとされ、ロイガー族の指導者ともいわれる。
また1878年5月11日にニュージーランドとチリの間の海域に浮上した新しい島が発見され、その島の切頭円錐の形状をした場所はヤディス=ゴー山だといわれる。そこで発見されたミイラはボストンのキャボット博物館に保管されている。
1996年に放映された円谷プロ製作の特撮作品『ウルトラマンティガ』の第51話「暗黒の支配者」、第52話「輝けるものたちへ」に邪神ガタノゾーアとして登場している。しかしながら、その造型はクトゥルフそのものである(石化能力はない)。