ウエルバ
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ウエルバ(Huelva)は、スペイン南西の都市。アンダルシア州ウエルバ県の県都である。カディス湾に面し、オディエル川とティント川の合流点に位置する。人口は145,150人(2005年)。
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[編集] 概要
古代ローマ時代には、アナス川(現在のグアディアナ川)とバエティス川(現在のグアダルキビール川)の中間にある港町であった。ルクシア川(現在のオディエル川)の河口に位置し、アナス川の河口からアウグスタ・エメリタ(現在のメリダ)に向かう道路沿いにあった(Itin. Ant. p. 431.)。
ウエルバはフェニキア人によって築かれ、「オノバ」と呼ばれた。ギリシア人はその名前を受け継ぎ、Ὄνοβαと記した。ローマに征服されたときはトゥルデナニ人が支配していた。ローマ時代には「オノバ・アエストゥスアリア」(Ptol., ii. 4. § 5)とも、単に「オノバ」(Strabo, iii. p. 143, Mela, iii. 1. § 5) または「オヌバ」(硬貨に刻まれた)とも呼ばれている。ローマはウエルバを属州ヒスパニア・バエティカに編入した。この地を征服したアラブ人は「ワルバー」と呼んだ。1755年のリスボン地震では大きな被害を受けた。
現在でもローマの遺跡、特に水道が残っている。「オヌバ」の市名を印した古代の硬貨がよく見つかる(Florez. Med. ii. pp. 510, 649; Mionnet, i. p. 23, Suppl. p. 39; Sestini, Med. Isp. p. 75, ap. Ukert, vol. ii. pt. 1. p. 340.)。
2005年10月、ハリケーン・ヴァンスはちょうどウエルバの海岸に上陸した。スペインに上陸した最初のハリケーンとなったが、死傷者や被害はなかった。
ウエルバをホームとするレクレアティーボ・ウェルバは、1889年に設立されたスペインでもっとも古いサッカークラブである。
[編集] コロンブス
ウエルバ県の観光名所は、クリストファー・コロンブスの史跡である。史跡は、ウエルバ、モゲル、パロス・デ・ラ・フロンテラおよびラビダ修道院にある。修道院は、コロンブスがフランシスコ会に援助を求めた場所である。フランシスコ会はコロンブスを地元の金持ちの船乗りピンソン兄弟や、フェルナンド2世とイサベル1世に紹介した。
そうした交渉により、援助や地元の乗員(船長を含む)を得て、コロンブスは最初の航海の準備を整えることができた。コロンブスはウエルバの船乗りアロンソ・サンチェスと相談して最終的なルートを決めたと仮定されている。
コロンブスはこの地でアイデアや理論を交換し、当時のヨーロッパの権威には拒否されていた政治的、経済的な支援を得ることができた。
[編集] 姉妹都市
[編集] 参考文献
この記事はパブリックドメインの『en:Dictionary of Greek and Roman Geography 』 by en:William Smith(1857)からのテキストを含む。