イギリスの競馬
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[編集] 歴史
- 12世紀、最初に競馬が行われる。
- 1540年、世界初の競馬場としてチェスター競馬場が建設され、近代競馬(正式のルールと専用の施設(競馬場)に基づく競馬)が行われるようになった。
- 17世紀後半以降競走馬の品種改良が進み、やがてサラブレッドと呼ばれる品種が誕生した。
- 1727年、競走馬の競走成績が公式文書(レーシングカレンダー)として残されるようになった。
- 1750年、競馬統括団体としてジョッキークラブが設立された。
- 1791年、ジェネラルスタッドブックが刊行された。
- 1791年、エスケープ事件が発生。
- 18世紀に、競走形式がマッチレースおよびヒートレースからステークス方式へと変化した。
- 1909年、ジャージー規則が制定された(1949年に撤廃された)。
- 1993年、競馬統括団体がジョッキークラブから英国競馬公社(BHB)へと移った。
[編集] 特徴
- 年間の観客動員数は600万人。観客動員数で見た場合、イギリス国内ではサッカー(900万人)に次ぐ人気を持つスポーツである。
- 近代競馬(正式の規則に基づき、専用の施設(競馬場)において行われる競馬)発祥の地として知られる。
- ブックメーカーを介した賭けが盛んに行われている。イギリス国内における競馬の売り上げは100億ポンドに達するが、うち97%がブックメーカーの売り上げである。このため、日本に次ぐ世界第2位の売り上げ規模、人口当たりでもオーストラリアに次ぐ売り上げを有しているにもかかわらず、財源は乏しい。
- 平地競走ばかりでなく、障害競走も盛んに行われている。基本的に、3月から11月まで平地競走が、オフになると障害競走が行われる。2007年は平地開催が844回、障害開催が482回、混合開催が4回であり、競走数は平地が5659回、G1(グループ1)は32。障害競走は年間に3218回行われ、G1(グレード1)は30である。
- 競走馬の生産は主にニューカップにおいて行われている。生産頭数は年間約6000頭(世界第9位、サラブレッド単品種では6位)。ただし隣国アイルランド(生産頭数12000頭)から大規模な供給がある。
[編集] 主な競走
[編集] 平地競走
- ケンブリッシャーハンデキャップ
- シザレウィッチハンデキャップ
[編集] 障害競走
- グランドナショナルミーティング
- スコティッシュグランドナショナル
- ウェルシュナショナル
- チェルトナムフェスティバル
- キングジョージ6世チェイス
- ヘネシーコニャックゴールドカップ
- ベット365ゴールドカップ
- ベットフェアチェイス
[編集] 現在のイギリスの主要競走のレース日程
- 3月 - (第3週)チェルトナムフェスティバル(初日:チャンピオンハードル 2日目:クイーンマザーチャンピオンチェイス 3日目:ワールドハードル 4日目:チェルトナムゴールドカップ)
- 4月 - (第1週)グランドナショナルミーティング(2日目:メリングチェイス 3日目:グランドナショナル)(第3週)スコティッシュグランドナショナル(第4週)ベット365ゴールドカップ
- 5月 - (第1週)2000ギニー・1000ギニー(第3週)ロッキンジステークス
- 6月 - (第1週)オークス・コロネーションカップ・ダービー(第4週)ロイヤルアスコットレースミーティング(初日:キングズスタンドステークス・セントジェームズパレスステークス・クイーンアンステークス 2日目:プリンスオブウェールズステークス 3日目:ゴールドカップステークス 4日目:コロネーションステークス 5日目:ゴールデンジュビリーステークス)
- 7月 - (第1週)エクリプスステークス(第2週)ファルマスステークス・ジュライカップ(第4週)キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス・サセックスステークス
- 8月 - (第1週)ナッソーステークス(第4週)インターナショナルステークス・ヨークシャーオークス・ナンソープステークス
- 9月 - (第1週)スプリントカップ(第2週)セントレジャーステークス(第4週)フィリーズマイル・クイーンエリザベス2世ステークス
- 10月- (第1週)チェヴァリーパークステークス・ミドルパークステークス・サンチャリオットステークス(第3週)チャンピオンステークス・デューハーストステークス(第4週)レーシングポストトロフィー
- 11月- (第3週)ベットフェアチェイス(第4週)ヘネシーコニャックゴールドカップ・ウェルシュナショナル
- 12月- (第4週)キングジョージ6世チェイス
暦の関係上、開催が前の月に前倒しする時があり、第○週と書いてあるものずれることがよくある。具体的には、2000ギニー、1000ギニーは場合によっては暦の関係で4月の末に開催されることもある。また、ナッソーステークスは7月の末に開催されることもある。よって、こちら表ははあくまでも目安として判断していただきたい。また、日本のように必ず土日に開催されるわけではなく、平日に開催されるレースもある。なお、欧州各国では自国の競走にのみ出走するということは少なく、他国のにも積極的に出走する。とくにアイルランドとは密接な関係を保っており、ほとんど一つといって過言ではない。