アフリカ単一起源説
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自然人類学におけるアフリカ単一起源説(-たんいつきげんせつ)とは、地球上のヒトの祖先はアフリカで誕生し、その後世界中に伝播していったとする学説。対立する説に、ジャワ原人・北京原人・ネアンデルタール人などが各地域で現生のヒトに進化していったとする多地域進化説がある。ただし、多地域進化説も時間を十分さかのぼればヒト科の誕生の地がアフリカであるという点で意見は一致しており、この二説の相違点は「現生人類の祖先はいつアフリカから出発したか」でもある。そのため両者を「新しい出アフリカ説」「古い出アフリカ説」と呼ぶこともある。
分子系統解析の進展(いわゆるミトコンドリア・イブやY染色体アダムなど)によって、人類は14~20万年前に共通の祖先を持つことがわかり、これはアフリカ単一起源説(=新しい出アフリカ説)を強く支持するものである。
[編集] 関連項目
- 多地域進化説
- 古人類学
- 分子時計#ヒトの進化の分子時計 - 人類進化の分子時計
- 古人類学#現在論じられている人類進化説 - アフリカサバンナ起源説
[編集] 参考文献
- クリストファー・ストリンガー、ロビン・マッキー著、河合信和訳 『出アフリカ記 人類の起源』岩波書店、2001年。
[編集] 外部リンク
- ネアンデルタール人のDNAが語るヒトの進化 - 生命誌研究館の宮田隆の進化の話