のってけエクスプレッツ
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のってけエクスプレッツとは、ミルキーカートゥーン製作の連続短編アニメ。MBS・TBS系列で放送された番組「ブリンぶりん家」~「フューチャービーンズ~みらい豆」内にて、2004年4月から放映された。2004年6月にはAnnecy 2003 International animated film festivalにノミネートされる。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
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[編集] 概要
「ブリンぶりん家」放映時、他のアニメも一緒に放映されいたが、最終回まで放映されたのはこの作品だけである。なので、「フューチャービーンズ~みらい豆」では4話分しか放映されなかった(ブリンぶりん家最終回放映時、この作品はまだ最終回を迎えていなかったため)。
本の中の世界は、ほぼすべてのものが薄っぺらい感じになっており、今までのミルキーカートゥーンの作品『グレゴリーホラーショー』『ペコラ』『ミッドナイトホラースクール』のような、3DCGによるキューブ状の独特な姿をした登場人物は出てこない。本の外の世界は3DCGを使用しているが、坊やたちの姿が見当たらないため、キューブ状の姿をしているかどうかは不明。この作品の後に発表された『パピピピプピ』『ボーノーモ』『プチブタヅカ』などの登場人物はキューブ状の姿をしていない。
[編集] あらすじ
「HAPPY WOOD」という絵本の主人公であるツバサは、「線路はどこまでも続いている」と信じていたが、ある時知り合いであるロコじいの死により、線路に終わりがある(HAPPY WOODの物語が終わってしまう)ことを知る。
そんな時、黒い霧がHAPPY WOODの世界を覆い、草木は枯れ、看板などは崩れてしまう。
この状況を打開すべく、ツバサ達は絵本の世界から現実の世界へと旅立った。現実の世界に来たツバサたちは、自分達のいた本が数え切れないほど無数にある本のうちの一冊でしかなかったことを知り、たくさんの物語の中にきっと「希望」があるのだと確信する。
そして、黒い霧を出していた犯人でもあり、物語をバッドエンドに変えてしまう存在、そしてかつてある物語のヒーローだったブラックエクスプレッツは、そんなツバサ達を追いかけ、行く先々で妨害をしていく。
[編集] ツバサたちの旅の順路
HAPPY WOOD → ピラミッド関係の本 → 恐竜図鑑 → 飛行機の図鑑 → 電化製品のカタログ → おばけの本 → レーシーングカー図鑑 → 料理本 → 列車の図鑑(本の中は博物館のようになっていた) → 未来列車シルバーエクスプレッツ
[編集] 登場人物
括弧内は担当声優。
[編集] 主な登場人物
- ツバサ(佐藤ゆうこ)
- 無邪気な少年。皆を引っ張っていく存在だが、いざというとき弱気になることも。
- アサヒ(うえだゆうじ)
- ムードメイカーで、ギャグをよく言うお調子者。
- コマチ(枝村みどり)
- みんなのお姉さん的存在。
- アサマ
- 紳士。おっとりしている。
- ヤマビコ(幸野善之)
- 帽子で目が隠れているが、時々赤か濃いピンクの目が見える。余談だが、グレゴリーホラーショーにおいて幸野演じるカクタスガンマンと姿におけるテーマ(サボテン)が酷似している
- ロードローラー(桜井敏治)
- 本と本をつなぐレールを敷く唯一の存在。「~だロラ」が口癖。
- ブラックエクスプレッツ/シルバーエクスプレッツ(桐井大介)
- ひねくれもののスピード狂。正体は「未来列車シルバーエクスプレッツ」の主人公、シルバーエクスプレッツ。絶望して魔力と引き換えに、自分の世界の本をバッドエンドにした。最終回では、ブラックの姿のまま、タイニーを救出。タイニー本人は、シルバー呼ばわりしていたが、素直でない性格は直っていない(ただし、本編終了直後の画面では、シルバーエクスプレッツに戻っている)。
- パトエクスプレッツ
- ブラックを追っている巡査列車。神出鬼没。ファンファンとサイレンを鳴らしたり、一人称が本官だったり、「~であります」が口調だったりとかなり警官らしいキャラクターになっている。
- タイニートレインの実兄だということが後に判明し、最終回ではタイニートレインの兄として、タイニートレインを狙うアサヒを威嚇したことから、嫉妬深い一面もあると見られる。
- 坊や(宮沢りえ)
- この物語のストーリーテラー的存在。かなりの本好きだと思われる。ツバサたちと直接会話をしたり姿を見たりすることはできないが、未来列車シルバーエクスプレッツの本に涙をこぼすと、それがブラックエクスプレッツの涙 = 希望のかけら = 本の世界への鍵の鍵穴となるなど、ツバサたちの旅に影響している。
- 坊やのママ(枝村みどり)
- 時々出てくる。優しい感じの母親だと思われる。
[編集] ツバサが旅の中で出会う人々
- ロコじい
- ツバサに外の世界の存在を教えた人物。第2話あたりでは瀕死の状態であったが、最終回ではHAPPY WOODの世界で元気に過ごしていた。
- ピレーネ
- HAPPY WOODの住人。アサマより若いと考えられるが、ツバサにおじさんと呼ばれたこともあった。
- ミイラ男(チョー)
- 実は強制的に棺に閉じ込められた王子。「~だマミー」が口癖。
- ライトフライヤー号
- ライト兄弟が発明した人類初の飛行機。自身の性能の悪さに、ツバサたち列車にあこがれるが、仲間がブラックエクスプレッツによって操られた際、ツバサに乗せてもらっての助走で、空を飛んで格納庫の火を消す。
- 電球ボーイ
- ブラックエクスプレッツにそそのかされて、自分は必要ないと思い込み、電球のページを破って文字通り身投げを図るが、ショー会場が停電になった際、必要とされ、皆の人気者となる。
- ファニーゴースト(川田妙子)
- 顔が怖くない故に、それがコンプレックスになっていた幽霊。ブラックと出会い心まで怖くなるものの、コマチにとりつきエクソシスターズに追い出される。最終的には、面白い顔で皆を喜ばせることができるようになった。
- ストライブ(大津田裕美)
- レーシングカー。ブラックにレース会場をめちゃくちゃにされるが、ツバサが代理で出場してブラックエクスプレッツを打ち負かした。
- タイニートレイン(前田ちあき)
- パトエクスプレッツの妹にして、シルバーエクスプレッツの恋人。ブラックエクスプレッツの魔法で本の中に閉じ込められ、他のものとともに闇と同化した為、パトエクスプレッツの回想以降出演したときは、音声のみだった。ブラックエクスプレッツを恨んでいた描写はなかったが(悲しんでいると見られる描写がほとんどだった)、最終回ではブラックエクスプレッツのことをシルバーと呼んで愛していた。