スター・レッド

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スター・レッド』は萩尾望都漫画作品。

目次

[編集] 概要

週刊少女コミック』(小学館1978年23号から1979年3号に掲載。

第11回星雲賞コミック部門を受賞。

[編集] あらすじ

2276年、ドーム都市・ニュー・トーキョー・シティに住む五世代目の火星人火星に恋する少女、星(セイ)。 火星人ということを隠し地球で暮らしていたが、謎の男エルグに正体がばれてしまう。 星は火星人のことが知りたいというエルグに一緒に火星に行かないかと誘われ…。

[編集] 背景

21世紀、ワープ航行技術の発展に伴い、人類の他星系への植民が進んだ。一方、太陽系では金星への植民を経て、2050年火星のクリュセに基地が作られて移民がスタートしたが、なぜか胎児が全部死亡するという事態に見舞われ、2070年に移民はストップ(ここまでが火星史の「第1期」)。その後、火星は犯罪者の流刑地となっていった。しかし2188年、太陽系の植民地間の紛争及びプロキシマアルファ・ケンタウリなどの他星系惑星との戦争により、犯罪者の移入がストップ。2202年に管理用電子タグを付けていた犯罪者が死に絶えたことから、火星は無人の地となったと思われた。

しかし、2264年に再び火星を植民するために科学者ら約300人が火星を訪れた(ここからが火星史の「第2期」)。だが彼らの前に現れたのは、白い髪・赤い目と超能力を持つ犯罪者たちの子孫・火星人であった。それから間もなく人類と火星人とは激しく戦い、双方に多数の犠牲者を出して火星人は制圧されたと思われていた。

しかし、火星人はキンメリアに移り住んで反抗の時を窺っていた…。

[編集] この作品における火星人

火星人は、妊娠するとクリュセの地下空間に移って出産まで暮らした(この空間以外では、前述の通り胎児はすべて死亡する)。こうして生まれた第1世代(地球人から生まれた場合。以下同)は超能力を持ち始め、第2世代以降、髪や目の色が抜けるとともに超能力が強くなり、第3世代で完全な火星人となる。地球による第2期の移民開始後、発見された地下空間には妊婦が出産まで入院する医局が開設された。

火星人は、世代によって区別されており、その世代はギリシャ語系の接頭辞で数えられる(モノ、(第2世代の表記はないがおそらく「ジ」)、トリ、テトラ、ペンタ)。名前は基本的に「名前・世代(・姓)」。

火星人は視力を持たず、視力を補うために透視能力を持っている。また、火星の希薄な大気の中で暮らすために空気を作る能力を持つ(メカニズムは不明)。そのほかにも、念動力やテレポートなどの能力も持つ。また、特に予知能力の強い者は夢見(ゆめみ:予知夢を見る者)と呼ばれる。

[編集] 登場人物

星・ペンタ・トゥパール(セイ)
五世代目最年長の火星人の少女。火星人の特徴を隠し、地球人として暮らしている。「レッド・星」の名でニュー・トーキョー・シティの上区のリーダーに君臨し、暴走族「レッド・サークル」を率いている。昼間は女学校に通っている。
エルグ
正体不明の男。星の正体を見抜き、行動を共にするが…。
サンシャイン(陽一)
星の兄的な存在。貿易会社の跡取り息子。
大内 源(おおうち ゲン)
ニュー・トーキョー・シティの下区のボス。星に惚れている。
ヨダカ
三世代目の火星人の少年。兄と共に星を助ける。
シラサギ
三世代目の火星人。ヨダカの兄。夢見の一人。
黒羽(クロバ)
四世代目の火星人。星の暗殺を命じられる。
徳永周(トクナガ・シュウ)
星の養父。博士。あるきっかけから星を引き取り、養女にする。合成芝研究家。星の赤い瞳を隠すためのカラーコンタクトを自身で開発した。
ペーブマン
火星人研究局の局長。未公認ESPである星を執拗に追う。火星の戦闘で両手の指を失ったことから火星人、ひいては超能力者を憎悪している。
アン・ジュール(アン・ジュ)
情報局所属の公認ESP。火星人の超能力に興味を持っている。
ラバーバ
地球人。カイロの地下組織「ソベク」の幹部。ボスの命を救われたことからヨダカらを匿い、協力する。
カッパ
ESP研究所から派遣された情報員。「カッパ」は公認ESPの俗称であり、本名は不明。
ミュージュ
美形の異星人。エルグを探している。
百黒老(ひゃくこくろう)
火星人一族の長老。夢見たちの予知夢の結果、苦渋の決断を下す。

[編集] 単行本

星雲賞コミック部門
第10回 1979年
不条理日記
吾妻ひでお
第11回 1980年
『スター・レッド』
萩尾望都
第12回 1981年
『伝説』
水樹和佳