SOV型
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SOV型言語とは、文を作るときに、一般に主語 (Subject) - 目的語 (Object) - 動詞 (Verb)の語順をとる言語のこと。
ドイツ語、オランダ語、日本語、琉球語、アイヌ語、朝鮮語、アルタイ諸語、インド・イラン語派、アルメニア語、ドラヴィダ語族、チベット・ビルマ語派、アムハラ語、ナバホ語、ケチュア語、アイマラ語、バスク語、シュメール語、アッカド語、エラム語、ヒッタイト語などがこの型をとる。ラテン語、サンスクリットでは多様な語順が認められるが、最も頻出する語順はSOV型である。またロマンス語では、目的語が代名詞の場合、この語順になる。
ドイツ語およびオランダ語はSOV型のV2語順(動詞第二位)と分析される。平叙文ではV2のため一見SVO型に見える。
日本語での例: 私は りんごを 食べる。
この文では、"私は"が主語(S)、"りんごを"が目的語(O)、"食べる"が動詞(V)である。
SOV型言語には以下の特徴があることが多い。
- 動詞の後に助動詞を置く。
- 日: 食べて しまう
- 独: gegessen haben
- 名詞の前に形容詞を置く。
- 日: 赤い りんご
- 独: der rote Apfel
- 後置詞を用いる。
- 日: 日本で
- 格標識がある。
- 日: 男が/男を
- 独: der Mann/den Mann
- 副詞は時間、様態、場所の順に並ぶ。
- 日: 昨日 電車で 東京に 行った。
- 独: Ich bin gestern mit der Bahn nach Tokio gefahren.
- 語順が比較的自由である。
- 日: 私が りんごを 食べる。 / りんごを 私が 食べる。
- 独: Ich esse den Apfel. / Den Apfel esse ich.
- 疑問詞を移動しない。
- 日: これは 何ですか。