風月堂
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風月堂(ふうげつどう)は、洋菓子・和菓子メーカーである。焼き菓子ゴーフル(ゴーフレット)を販売している上野風月堂、東京風月堂、神戸風月堂が有名であるが 全国に風月堂を名乗る店舗が数多くある。
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[編集] 概要
正式な表記は「凮月堂」。1747年(延享4年)に、大阪出身の小倉喜右衛門が江戸・京橋鈴木町に開いた「大坂屋」を起源とする。
「扇に三日月」の紋章、「凮月堂」と記す店名を掲げた風月堂は、すべてこの大住家(上記の小倉家が改姓)の「大坂屋」を起源とする。これらの店舗は沿革や商標が同一であるため、日本風月堂協会を結成し加盟している。
「風月堂総本店」(京橋南伝馬町)から6代目の弟が1905年(明治38)に分家したのが「上野風月堂」。これとは別に1873年(明治6)にのれん分けしたのが「米津風月堂」(両国若松町。のち銀座)。「米津風月堂」から更にのれん分けしたのが「神戸風月堂」である。
太平洋戦争以降、本家である「風月堂総本店」は消滅。「米津風月堂」は銀座本店が人手に渡り(現在の「銀座風月堂」)、その後自力で拡充したものの積極策がたたり、倒産。食料品専門商社の高瀬物産が支援に乗り出し「東京風月堂」を設立して現在に至る。今日、一口に「風月堂」と括られるが、そのほとんどは「上野風月堂」、「東京風月堂」および「神戸風月堂」のいずれかであり、この三者のうちのいずれかが競合しているケースも少なくない。この他、 米津ののれん分けとして、「自由が丘風月堂」や「甲府風月堂」、「長野風月堂」等が存在する。
ゴーフルの開発について「東京風月堂」は「米津風月堂」を元祖としているが、現在のようなクリームを挟んだ形態を考案し、商品化に成功したのは「大阪北浜風月堂」というのが真相のようである。
参考資料
[編集] ゴーフル
1927年に考案され、米津風月堂、神戸風月堂、大阪北浜風月堂(現存せず)にて販売を開始した。 現在は東京風月堂、神戸風月堂および上野風月堂の登録商標として製造されているほか、類似品が全国に多数存在する。
洋菓子の材料を取り入れた和菓子で、小麦粉、砂糖、牛乳、バター等の材料を和菓子のせんべいを焼く技術を活かして直径15cm、厚さ1mm程の円形にさっくりと焼いたもの二枚で、薄く延ばしたクリームを挟んだもの。
個包装されたものを紙箱や四角い缶に入れた形態、あるいは浅底の丸い鉄製の缶に入れた形態で販売されている。
全国的に販売されているが、特に西日本では神戸風月堂のものが高い知名度を誇り、土産物や中元等でもよく利用される菓子である。また同社の丸い缶には阪神タイガースのロゴマークや球団キャラクターなどを印刷したものがある。
[編集] ゴーフルの種類
- ゴーフル
- ミニゴーフル
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- 神戸風景
- 阪神ミニゴーフル
- ヴィッセル神戸ミニゴーフル
- ゴーフル・オ・グーテ
- ゴーフル・デュオ・グーテ
- プティーゴーフル
- ギフトセット
(以上、神戸風月堂の商品)
[編集] ゴーフルの味
- バニラ味
- チョコレート味
- ストロベリー味
- 桜味(上野風月堂100周年記念商品)
[編集] ゴーフレット
ゴーフルと似た菓子にゴーフレット(仏:gaufrette、「小さいゴーフル」の意)がある。 文字通り直径7cmほどの小型のゴーフルを意味するほか、葉巻状に巻いたゴーフルの中にクリームやジャムなどを詰めたもののことを指す場合もある。
また、ゴーフル(ゴーフレット)とは英語のワッフルに相当するフランス語であるので、ジャガイモなどの野菜を細く切り、ワッフルのように網の目状にして油で揚げた料理はポンム・ド・テール・ゴーフレット(仏:pomme de terre gaufrette)またはワッフルポテトと呼ばれている。