類別トリック集成

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『類別トリック集成』（るいべつトリックしゅうせい）は江戸川乱歩の評論。雑誌『宝石』の昭和28年9、10月号に初出。それを補丁したものが『続・幻影城』に収録されている。

821の探偵小説からトリックを抽出・分類し、それぞれの項に簡単な解説をほどこしている。分類は以下の通りである。

目次 1 【第一】 犯人（または被害者）の人間に関するトリック 2 【第二】 犯人が現場に出入りした痕跡についてのトリック 3 【第三】 犯行の時間に関するトリック 4 【第四】 兇器と毒物に関するトリック 5 【第五】 人および物の隠し方トリック 6 【第六】 その他各種トリック 7 【第七】 暗号記法の種類 8 【第八】 異様な動機 9 【第九】 トリッキイな犯罪発覚の手掛り 10 参考文献

[編集] 【第一】 犯人（または被害者）の人間に関するトリック

• （A）一人二役
  • 1.犯人が被害者に化ける
  • 2.共犯者が被害者に化ける
  • 3.犯人が被害者の一人を装う
  • 4.犯人と被害者と全く同一人物
  • 5.犯人が嫌疑をかけたい第三者に化ける
  • 6.犯人が架空の入物に化ける
  • 7.替玉二人一役
  • 8.双生児トリック
  • 9.一人三役、三人一役、二人四役
• （B）一人二役のほかの意外な犯人
  • 1.探偵が犯人
  • 2.裁判官、警官、典獄が犯人
  • 3.事件の発見者が犯人
  • 4.事件の記述者が犯人
  • 5.幼年または老人が犯人
  • 6.不具者、病人が犯人
  • 7.死体が犯人
  • 8.人形が犯人
  • 9.意外な多人数の犯人
  • 10.動物が犯人
• （C）犯人の自己抹殺（一入ニ役以外の）
  • 1.焼死を装う
  • 2.その他の偽死
  • 3.変貌
  • 4.消失
• （D）異様な被害者

[編集] 【第二】 犯人が現場に出入りした痕跡についてのトリック

• （A）密室トリック
  • 1.犯行時犯人が室内にいなかったもの
    • （イ）室内の機械仕掛け
    • （ロ）窓または隙間を通しての室外からの殺人
    • （ハ）密室内にて被害者自ら死に至らしめる
    • （ニ）密室における他殺を装う自殺
    • （ホ）密室における自殺を装う他殺
    • （ヘ）密室における人間以外の犯人
  • 2.犯行時犯人が室内にいたもの
    • （イ）ドアのメカニズム
    • （ロ）実際より徐に犯行があったとみせかける
    • （ハ）実際より前に犯行があったとみせかける--密室における早業殺人
    • （ニ）ドアの背後に隠れる簡単な方法
    • （ホ）列車密室
  • 3.犯行時被害者が室内にいなかったもの
  • 4.密室脱出トリック
• （B）足跡トリック
• （C）指紋トリック

[編集] 【第三】 犯行の時間に関するトリック

• （A）乗物による時間トリック
• （B）時計による時間トリック
• （C）音による時間トリック
• （D）天候、季節その他の天然現象利用のトリック

[編集] 【第四】 兇器と毒物に関するトリック

• （A）兇器トリック
  • 1.異様な刃物
  • 2.異様な弾丸
  • 3.電気殺人
  • 4.殴打殺人
  • 5.圧殺
  • 6.絞殺
  • 7.墜落死
  • 8.溺死
  • 9.動物利用の殺人
  • 10.その他の奇抜な兇器
• （B）毒薬トリック
  • 1.嚥下毒
  • 2.注射毒
  • 3.吸入毒

[編集] 【第五】 人および物の隠し方トリック

• （A）死体の隠し方
  • 1.一時的に隠す
  • 2.永久に隠す
  • 3.死体移動による欺瞞
  • 4.顔のない死体
• （B）生きた人間の隠れ方
• （C）物の隠し方
  • 1.宝石
  • 2.金貨、金塊、紙幣
  • 3.書類
  • 4.その他
• （D）死体および物の替玉

[編集] 【第六】 その他各種トリック

• 1.鏡トリック
• 2.錯視
• 3.距離の錯覚
• 4.追うものと追われるものの錯覚
• 5.早業殺人
• 6.群集の中の殺人
• 7.「赤髪」トリック
• 8.「二つの部屋」トリック
• 9.プロバビリティーの犯罪
• 10.職業利用の犯罪
• 11.正当防衛トリック
• 12.一事不再理のトリック
• 13.犯人自身がその犯行を遠方から目撃するトリック
• 14.童謡殺人
• 15.筋書殺人
• 16.死者からの手紙
• 17.迷路
• 18.催眠術
• 19.夢遊病
• 20.記憶喪失症
• 21.奇抜な盗品
• 22.交換殺人

[編集] 【第七】 暗号記法の種類

• （A）割符法　
• （B）表形法
• （C）寓意法
• （D）置換法
  • 1.普通置換法
  • 2.混合置換法
  • 3.挿入法
  • 4.窓板法
• （E）代用法
  • 1.単純代用法
  • 2.複雑代用法
    • （イ）平方式暗号法
    • （ロ）計算尺暗号法
    • （ハ）円盤暗号法
    • （ニ）自動計算機械による暗号
• （F）媒介法

[編集] 【第八】 異様な動機

• （A）感情の犯罪
  • 1.恋愛
  • 2.復讐
  • 3.優越感　
  • 4.劣等感
  • 5.逃避
  • 6.他の犯罪
• （B）利慾の犯罪
  • 1.遺産相続
  • 2.脱税
  • 3.保身防衛
  • 4.秘密保持
• （C）異常心理の犯罪
  • 1.殺人狂
  • 2.芸術としての殺人
  • 3.父コンプレックス
• （D）信念の犯罪
  • 1.宗教上の信念
  • 2.思想上の信念
  • 3.政治上の信念
  • 4.迷信

[編集] 【第九】 トリッキイな犯罪発覚の手掛り

• （A）物質的手掛りの機智
• （B）心理的手掛りの機智

[編集] 参考文献

• 江戸川乱歩全集第27巻 続・幻影城（光文社）