音楽隊 (海上自衛隊)
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音楽隊(おんがくたい)とは軍楽隊の一種で、音楽演奏を主な任務とする海上自衛隊の部隊である。
海士長以下の自衛官の帽章に表示する文字には、概ね部隊名が表示されているが、音楽隊の場合は「海上自衛隊」の文字となる。
目次 |
[編集] 東京音楽隊
東京音楽隊は東京(上用賀基地)に置かれ、防衛大臣直轄部隊であって、広報活動のための派遣演奏、音楽隊員に対する教育等を行っている。東京音楽隊は、東京音楽隊以外の音楽隊の隊員に対しても、音楽に関する教育訓練を行うため、総務科、音楽科の他に特に教育科が置かれている。
[編集] 沿革
- 1951年(昭和26年)1月 海上保安庁音楽隊が36名編成で発足[1]。
- 1952年(昭和27年)7月 海上警備隊音楽隊が発足。
- 1952年(昭和27年)8月 警備隊音楽隊と改名。
- 1954年(昭和29年)7月 海上自衛隊音楽隊と改名。
- 1956年(昭和31年)6月1日 防衛庁長官直轄部隊として東京音楽隊が正式に編成を認められる(定員59名)。
代 | 氏名 | 階級 | 在任期間 | 出身校・期 | 前職 | 後職 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 高山實 | 1等海佐 | 1951.?.? - 1962.7.25 | ||||
2 | 片山正見 | 1等海佐 | 1962.7.26 - 1967.4.1 | ||||
3 | 石崎善治 | 2等海佐 | 1967.4 - 1969.2 | ||||
4 | 堀籠次男 | 2等海佐 | 1969.2 - 1972.7.31 | ||||
5 | 服部省二 | 2等海佐 | 1972.8.1 - 1976.10 | 東京音楽隊 副隊長 |
|||
6 | 山羽三郎 | 2等海佐 | 1976.10 - 1981.3 | ||||
7 | 行方三博 | 2等海佐 | 1981.3 - | ||||
8 | 山田哲朗 | 2等海佐 | - 1986.11.? | ||||
9 | 早田透 | 2等海佐 | 1986.11 - 1989.5 | ||||
10 | 竹村純一 | 2等海佐 | 1989.5 - 1991.11.30 | ||||
11 | 谷村政次郎 | 2等海佐 | 1991.12.1 - 1994.7 | ||||
12 | 上井章 | 2等海佐 | 1994.8 - 1998.7 | ||||
13 | 青木凱征 | 2等海佐 | 1998.8 - | ||||
14 | 渡仲郁夫 | 2等海佐 | - 2007.3 | 防大音楽顧問 | |||
15 | 熊崎博幸 | 2等海佐 | 2007.3.26 - |
[編集] 東京音楽隊以外の音楽隊
各地方隊ごとに、地方総監の直轄部隊として、横須賀音楽隊、呉音楽隊、佐世保音楽隊、舞鶴音楽隊及び大湊音楽隊が置かれている。隊長は3等海佐または1等海尉をもって充てられる。
[編集] 隊員の採用
隊員の採用に関して、海上自衛隊の音楽隊では実質オーディションである部隊説明会を実施し、この説明会時のオーディションに合格すると、入隊後に音楽要員として採用されることが概ね約束されるといわれている[要出典]。しかし、自衛官としての採用試験の合格が保障されるわけではない。(参考:自衛隊音楽隊部隊説明会について、自衛隊音楽隊の情報サイト、航空自衛隊中部航空音楽隊 渡部哲哉氏へのインタビュー記事、めざせ!自衛隊音楽隊員への道、海上自衛隊音楽隊ユーフォニアム奏者談 )
この部隊説明会の参加者のほとんどは音楽大学の卒業者若しくは卒業見込み者で占められている。 また、自衛官採用試験は別に受ける必要がある。音楽隊員になることが出来る自衛官採用試験の区分は、2等海士、一般曹候補生の採用試験であり、採用別に自衛官としての練習員課程を一般隊員とともに受ける必要がある。その後、所定の教育を受けた後で、海士特技課程(音楽課程)・中級海曹特技課程(音楽課程)は東京音楽隊でそれぞれ約16週間の教育が行われる。
[編集] 脚注
- ^ 1951年(昭和26年)に発足した旧「海上保安庁音楽隊」は海上自衛隊東京音楽隊の前身であって、現在の「海上保安庁音楽隊」は、これとは別個に新たに創設されたものである(詳細は海上保安庁音楽隊を参照。)。