関連病院
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日本では医師数が医療機関の数に対して十分ではない。そのため、多くの病院で医師の確保が問題となっている。
そこで、ある程度の質を保証された医師を安定して確保する方法として、大学病院の医局から派遣を受けることがよく用いられる。この場合、通常の派遣業とは違い、病院は医師を直接雇用し報酬を支払う。しかし派遣した医師の交代など人事は医局側に属するのが通例である。 また、歯科医師の場合、歯学部附属大学病院から有能な専門医などを系列・関係歯科医院に派遣することがある。 このように、医師・歯科医師の人事を大学の医局に依存した病院をその医局の関連病院(かんれんびょういん)(あるいは関連医院(かんれんいいん))と呼ぶ。ドイツ語のsitz=「座る」からジッツとも。
フルタイム勤務の医師のほか、大学病院で勤務しながら週に1度出張するなどのパートタイム勤務の医師を受け入れることもある。この場合、パートタイム勤務でも月当たりの報酬が一般的労働者の月給程度に相当することが多く、大学病院は無給医局員を抱えることができる。 歯科医師の場合は、アルバイトで系列・知人の歯科医院の診療を行うことがある。これは歯科医師のアルバイトであり、若い研修医など経済的な点から行うことが多い。
病院側には、医師・歯科医師の供給を受けられるほかに、高度な医療を必要とする患者の紹介 (医療)先を確保できるというメリットもある。逆に、大学病院にとっては長期通院・長期入院の必要な慢性疾患の患者の受け入れ先でもある。