間葉系幹細胞
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間葉系幹細胞(かんようけいかんさいぼう、英:mesenchymal stem cell)は、間葉に由来する体性幹細胞。間葉系に属する細胞への分化能をもつ。骨や血管、心筋の再構築などの再生医療への応用が期待されている。
骨髄間質細胞が分化誘導されることにより、間葉系に属する細胞(骨細胞、心筋細胞、軟骨細胞、腱細胞、脂肪細胞など)になる。最近では、さらにグリア細胞(外胚葉由来)、肝臓(内胚葉由来)など、中胚葉性でない組織にまで分化できる可塑性を持っていることが示されている。
[編集] 骨髄間葉系細胞
間葉系幹細胞は間葉系組織のあるすべての組織に存在すると考えられている。間葉系組織のなかで骨髄間葉系幹細胞は、骨髄穿刺で容易に採取でき、培養技術も確立されている。骨髄間葉系幹細胞は骨髄間質細胞の中に含まれている。骨髄間質細胞は骨髄の中で主体となる造血細胞を支える細胞の一種である。骨髄間質細胞は骨髄のなかで造血細胞を支えるために網状の構造をとる。骨髄はからだのなかで血液を造る造血作用の主要臓器である。
[編集] 参考文献
- 槌谷宏平ほか 「再生医学・医療のフロントライン『間葉系幹細胞』」 医学書院 週刊医学界新聞 第2523号 2003年2月17日。
- 梅澤明弘ほか 「骨髄間質を用いた臓器再生と細胞治療」
- 「ヒト間葉系幹細胞」 財団法人ヒューマンサイエンス振興財団。