花敷線
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花敷線(はなしきせん)は、JRバス関東長野原支店が運行するバス路線。
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[編集] 概説
吾妻線の長野原草津口駅から花敷温泉に至る路線である。夏期は花敷温泉を経由し、野反湖まで運行する。
[編集] 歴史
- 1955年12月15日 花敷線、長野原 - 花敷温泉 - 野反峠間が開業。
- 1958年7月1日野反峠 - 野反湖間が開業。
- 国鉄バスは1955年の開業であるが、その2年前、1953年6月に草軽交通が長野原駅(現、長野原草津口駅)から花敷温泉までの区間の乗合自動車免許を取得し、路線バスを走らせていた。草軽交通と国鉄バスは共同運行であったが、次第に国鉄バスが増便され、草軽交通は減便の後、休止状態を経て1984年5月に長野原~花敷温泉間を廃止している。草軽交通がこの路線を持っていたのは、近隣の鉱山から産出される硫黄や鉄鉱石の輸送を一手に引き受けていたことも関係している。
- 花敷線と志賀草津高原線を結ぶ「鈴蘭線」(全長8.5km)の存在があった。国鉄バス時代に花敷線の下梨木から国道292号線(通称旧道)を経由して草津温泉に至る路線を展開していた。
- 1950年代~1960年代には東武バスが群馬県道55号線、国道292号線を介して中之条~草津温泉間の便を運行させていた。東武バスの便は花敷温泉は経由しなかったものの、わずかな区間ながら国鉄バスの花敷線、鈴蘭線とは路線が重なっている部分があった。
[編集] 運行形態
[編集] 系統
[編集] ダイヤ
かつては途中の小雨やJR六合山荘(旧国鉄山の家・現在は村営六合山荘、現在の停留所名は「道の駅六合」)で折り返す便もあったが、現在は花敷温泉で折り返す系統のみである。花敷温泉・湯の平温泉・尻焼温泉とも草津温泉と比較するとかなり小規模な温泉ではあるものの、秘境の温泉として趣がある。しかし、モータリゼーションの影響で一般観光客の利用は多くなく、土休日には便数も半減するなど、観光地へ向かう路線ながら生活路線の色合いが強い。
[編集] 停留所
- 長野原草津口駅 - 須川橋 - 貝瀬 - 広池 - 公民館前 - 赤岩入口 - 出立橋 - 中沢 - 田端 - 南大橋 - 日影 - 大杉 - 太子 - 上太子 - 郵便局前 - 小雨 - 建設事務所前 - 沼尾 - 六合中学校前 - 道の駅六合(旧六合山荘) - 湯の平温泉口 - 下梨木 - 梨木 - 見寄口 - 滝見前 - 世立 - 京塚口 - 引沼 - 花敷温泉口 - 花敷温泉
- 花敷温泉 - 花敷温泉口 - 和光原 - 大自然村入口 - 大原台 - 野反峠 - 湖畔 - 野反湖(季節運行、夏季のみ)
[編集] 使用車両
長野原支店の路線車が、特に運用の区別なく使用されている。1980年頃は道路事情に合わせて、ホイールベースの短い専用車両が充当されていたが、道路事情の改善により車種の限定はなくなった。
[編集] 特記事項
- 大半の区間は国道292号・国道405号を走る。国道292号は草津温泉方面へ向かう道路であるが、草津道路が1993年に無料化された後は、こちらのルート自体がメインルートとしては使用されなくなっている。
- 旧長野原線の廃線跡が沿道の一部に残存している。
- 花敷温泉バス停前の旅館はかつて乗務員休憩所として滞泊に使われていた。現在も館内に国鉄協力会(地元の後援組織)が贈呈した鏡が設置してある。なお、日帰り利用可で、500円で入浴できる。