第五福竜丸 (映画)
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第五福竜丸 | |
監督 | 新藤兼人 |
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製作 | 絲屋寿雄・若山一夫・ 山田典吾・能登節雄 |
脚本 | 八木保太郎・新藤兼人 |
出演者 | 宇野重吉 乙羽信子 小沢栄太郎 千田是也 三島雅夫 稲葉義男 浜田寅彦 |
音楽 | 林光 |
撮影 | 植松永吉・武井大 |
配給 | 大映 |
公開 | 1959年2月18日 |
上映時間 | 109分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
Variety Japan | |
IMDb | |
『第五福竜丸』(だいごふくりゅうまる)は、1959年に公開された日本映画。製作は近代映画協会および新世紀映画、配給は大映。モノクロ作品。
[編集] 概要
1954年(昭和29年)3月1日にアメリカ合衆国がビキニ環礁で行なった水爆の実験(キャッスル・ブラボー)で被曝したマグロ漁の漁船「第五福竜丸」とその船員たちの悲劇をドキュメンタリー調に描いた作品。
『原爆の子』(1952年)で広島原爆被害の遺児を描き、原爆を描くことをライフワークとする新藤兼人が監督・脚本を兼ねて反核を訴えた作品である。しかしながら、反核というイデオロギーを超えてなお、映画作品としても傑作となっている。1959年度キネマ旬報ベストテン8位。
本作は、1950年に新藤が旗揚げした独立プロダクション「近代映画協会」の製作であり、このため「反米的」として独立まもない日本の大手映画会社が敬遠しそうな内容を同人的な「同志」たちが集まって作り上げた。
主人公の久保山夫婦役を、新藤のデビュー作『愛妻物語』から新藤監督作品の常連である宇野重吉と乙羽信子(『原爆の子』に主演。後に新藤と結婚)が熱演。感情的を強く出し過ぎない抑えた演技が、好演となっている。
海外では"Daigo Fukuryu-Maru"あるいは"Lucky Dragon No.5"(『ラッキー・ドラゴン・ナンバー・ファイブ』)という英題で紹介されている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
昭和29年(1954年)3月1日 午前3時42分、遠洋漁業に出ていたマグロ漁船「第五福竜丸」の23人の船員たちは、ビキニ環礁の辺りで夜空に輝く閃光とキノコ雲を目撃し、空から降ってきた灰のようなものを浴びた。日が経つにつれ、船員たちは肌が黒ずんで体調に異変を感じ始めた。どうやら、ピカドン(原爆)に遭遇したらしいと気づく。それは、アメリカが警告なしに実施した水爆実験だったのだ。
しかたなく漁を中断して、9月14日に焼津港に帰港。船員たちが病院で受診して、原爆症らしいことが判明する。放射能が検出された第五福竜丸の船体は封鎖され、多くのマグロが捨てられる。日本中が大騒ぎとなり、23人の船員たちは隔離病棟に収容され、静岡県知事が全面的な協力を約束する。来日したアメリカの専門家たちは、詳細な情報を教えることに消極的で、日本側をいらだたせる。船員たちは、より良い治療のために東京の病院に移送される。
医者・学者たちが総力をあげて研究と治療に取り組み、船員たちは快方に向かいだす。当時まだ珍しかったテレビを贈られて喜ぶ船員たち。ところが、回復してゆく若い船員たちをよそに、年配の久保山愛吉無線長だけは病状が悪化する一方だった。被曝から半年、ついに久保山は、妻・母・子・船員・医師らに見守られながら息を引き取るのであった。
[編集] キャスト
俳優 | 役名 | 役柄 |
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宇野重吉 | 久保山愛吉 | 第五福竜丸の無線長 |
乙羽信子 | 久保山しず | 久保山の妻 |
小沢栄太郎 | 知事 | 静岡県知事 |
千田是也 | 木下博士 | |
永田靖 | 県衛生部長 | |
三島雅夫 | 清川博士 | |
松本克平 | 東一副院長 | |
稲葉義男 | 見島民夫 | 漁撈長 |
浜田寅彦 | 熊谷博士 | |
永井智雄 | 大宮医師 | |
清水将夫 | 都目博士 | |
内藤武敏 | アナウンサー | |
原保美 | 美波博士 | |
三井弘次 | 焼津の警官 | |
嵯峨善兵 | 社会部次長 | |
中村是好 | 写真屋のおっさん | |
森川信 | 矢代きよの父 | |
十朱久雄 | 泉谷博士 | |
殿山泰司 | 助役 | |
ハロルド・コンウェイ | 原爆障害調査委員会所長 | |
ジョウ・ハーディング | アイゼンバアグ | |
ヨハン・ライクル | 米人医師A | |
マリア・ウィリアムス | 米人医師B | |
ピーター・ウィリアムス | 米大使代理 | |
武田正憲 | 協立病院長 | |
小笠原章二郎 | 理髪屋の主人 | |
松本染升 | 西山与市 | 船元 |
島田屯 | 病院の小使 | |
笹川恵三 | 組合長 | |
木下陽 | 内科医長 | 東一 |
松山照夫 | 山崎浩司 | 機関長 |
市村昌治 | 近藤次郎 | 甲板員 |
広井以津子 | 矢代きよ | |
多摩桂子 | みどり | かもめの女 |
内田礼子 | 小森たき | |
眸瑠璃子 | 見島の妻 | |
桜井良子 | 谷岡婦長 | |
原緋紗子 | 山崎の母 | |
小峰千代子 | つや | 河田の母 |
毛利菊枝 | 久保山きぬ | 久保山愛吉の母 |
[編集] 関連図書
- 『新藤兼人・原爆を撮る』 新藤兼人著、新日本出版社、2005年。