秋雨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
秋雨(あきさめ)とは、日本において9月中旬から10月上旬にかけて降る長雨のこと(年によりズレがある)。秋の長雨、秋霖(しゅうりん)ともいう。
夏から秋に季節が移り変わる際、真夏の間本州一帯に猛暑をもたらした太平洋高気圧が南へ退き、大陸の冷たい高気圧が日本海や北日本方面に張り出す。この性質の違う2つの空気がぶつかる所は大気の状態が不安定になり、秋雨前線が発生する。梅雨前線と同じく、前線を挟んで夏の空気と秋の空気とが押し合いをしているため、前線は日本上空を南下したり北上したりする。
梅雨とは反対に末期よりも初期の方が強く、梅雨のない北海道でも秋雨はある。逆に沖縄や奄美付近では前線の活動は弱まる。秋の台風期と重なっているため、しばしば台風の影響で大雨となり、大規模な水害を引き起こす場合がある。梅雨と違って、始まり・終わりが明確でないことが多く、梅雨入り・梅雨明けに相当する発表はない。また、東南アジア地域規模の現象である梅雨と異なり、日本周辺にのみ見られる現象である。