神話
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神話(しんわ)は、説話の一種で、事物の起源や意義を伝承的・象徴的に述べる物語。mythの漢訳語。
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[編集] 概要
日常の習慣から国家までその対象は多岐にわたるが、いずれにせよ、科学が発言権をもつ以前において、「なぜこの世界はあるのか」「なぜ人がいるのか」「なぜ人は死ぬのか」というテーマは多くの神話がとりあげるものである。
必ずしも神が出てくるとは限らないし(「神話」の原語であるmythには、「神」と関連する意味はない)、神が出てくるとしても一人であったり、多数であったり、その形態は神話によって様々である。
民族はそれぞれに独自の神話を持っていた。系統的に関わりのある民族においては、神話にも多くの共通の要素があり、かつてはそれぞれの民族の社会において宗教・信仰として機能していたが、現代ではそのような例はごく少ない。
[編集] 神話の研究
神話は、その神話を持つ文化集団の思想を探るのに重要な要素の一つでもある。文化人類学や民俗学の分野では、ノアの方舟に代表される洪水神話など、多くの文化集団が類似する神話を持っている場合、その文化同士に交流があったのではないかなどという方面から、研究が進められている。(比較神話学)
研究する学問としては、神話学や物語学などがある。ほかにも宗教学、歴史学、民族学、文化人類学、文学など多くの学問領域で研究対象となっている。
[編集] 「神話」という言葉
似た言葉に、「伝説」という言葉がある。 神話は物事の起源、伝説は固有名詞を伴った土地のいわれなどを説明するといったニュアンスの違いはあるものの、例えば建国神話に実在の可能性がある人物が登場し、地名の由来にもなったりするなど、両者の境界は明確ではない。
また近代に入り科学的理性が宗教・神話的なものの信頼を揺るがすようになると、そこから転じて「絶対的だと前まで考えられていたが、根拠の揺らいできたもの」といった用法が生じた。例:「日本の『安全神話』が崩れつつある」など。
[編集] 主な神話(要素別)
[編集] 主な神話(地域別)
- 北欧神話
- フィンランド神話
- ゲルマン神話
- ケルト神話
- スラヴ神話
- ギリシャ神話
- ローマ神話
- ペルシャ神話(イラン神話)
- ウガリット神話
- バビロニア神話
- メソポタミア神話
- ヘブライ人の神話(旧約聖書)
- エジプト神話
- アフリカの神話
- インド神話
- 仏教神話
- 中国神話
- 朝鮮神話 - 檀君神話
- 日本神話
- 出雲神話
- 琉球神話
- アイヌ神話
- ハワイ神話
- ポリネシアの神話
- ミクロネシアの神話
- メラネシアの神話
- アメリカ・インディアンの神話
- マヤ神話
- アステカ神話
- インカとアンデスの神話
- 架空の神話
- クトゥルー神話
- 中つ国の神話
[編集] 神話と遺跡
神話(伝説)であって真実ではないとされていたものの遺跡が発掘されることがある。