直交化
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[編集] 第一原理バンド計算における直交化
通常のバンド計算では、行列要素の対角化(固有値問題)を行い、固有値(固有エネルギー)及び固有ベクトルを求める。この時、異なる固有値に属する固有ベクトルは互いに直交していなければならない。通常の対角化手法(対角化ルーチン)を用いた場合、この直交性は自動的に満たされるようになっている。 しかし、カー・パリネロ法のように通常の対角化手法を用いないバンド計算では、この固有ベクトル同士の直交性を満たすために直交化(Orthogonalization)が必要となる。通常は、グラムシュミットの直交化(Gram-Schmidt orthogonalization)による方法が使われる。他の直交化手法として、Löwdinの直交化(ローディンの直交化)がある(カー・パリネロ法では、あまり使われない)。
一方、直交化は扱う系が大きくなると非常に計算量を消費する手法であるため、直交化を行わないバンド計算手法も提案されている[1][2]。
[編集] 参考文献
[1] F. Mauri, G. Galli and R. Car, Phys. Rev. B47 (1993) 9973.
[2] F. Mauri and G. Galli, Phys. Rev. B50 (1994) 4316.