白布温泉
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白布温泉(しらぶおんせん)は山形県米沢市(旧国出羽国、明治以降は羽前国)にある温泉。置賜総合支庁管内に位置する。白布高湯温泉とも呼ばれる。米沢市の南部に位置する。湯治場としても400年を越える歴史を有する。江戸時代には福島の高湯温泉、山形の蔵王温泉とともに奥羽三高湯に数えられた。
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[編集] アクセス
[編集] 泉質
- 塩化物泉
- 源泉温度60℃
- 無色透明の源泉
湯量にもきわめて恵まれており、源泉掛け流しの旅館が多い。
[編集] 温泉街
標高約900メートルの吾妻山北西側に位置し冬季は雪深く、「秘境」的な現地の趣ある雰囲気に、東京をはじめ大都市圏からの観光客、オートバイでのツーリング客、またシーズン時にはスキー客も多い。
老舗である中屋旅館・東屋旅館・西屋旅館をはじめとする数軒の旅館が存在する。その外観は、かつては昔ながらの茅葺き屋根で、訪れる人々の心を癒してくれていた。現在では西屋旅館のみが茅葺屋根である。
足湯、打ち湯もあり、米沢牛や山菜中心の旅館の夕食は、老若男女問わず好評。
付近には天元台スキー場や滝があり、野生の猿や狸、天然記念物のニホンカモシカにも出会える。
[編集] 歴史
開湯は1312年であるとされる。武士であった佐藤宗純が、鷹が温泉で傷を癒しているところを発見したとされる。
白布温泉の名前の由来は複数存在する。
- 温泉発見時の鷹に白い斑点があり、白斑鷹湯と名づけられ、それが転じて白布高湯、白布温泉となった。
- 温泉の流れる様が白い布のようであった。
- アイヌ語で霧氷のできる場所の意味である、シラブに由来し、後に漢字をあてがった。
1604年から1615年の間、当地に米沢藩の鉄砲製造場が置かれた。
中屋旅館、東屋旅館、西屋旅館の茅葺屋根の並びが名物であったが、2000年3月25日午後5時5分頃に中屋旅館を火元とする火事により、中屋旅館、東屋旅館が全焼した。