猪木正道
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猪木 正道(いのき まさみち、1914年11月5日 - )は、日本の政治学者で、京都大学名誉教授、平和・安全保障研究所顧問。専門は、政治思想。、法学博士(京都大学、1962年)。京都府京都市生まれ。大学では河合栄治郎の演習に参加し、人格主義的理想主義から、共産主義と軍部の政治関与のいずれをも批判する態度に共鳴する。経済学者の猪木武徳は息子。弟子に高坂正堯、大島渚がいる。
産経新聞のオピニオン面に長期掲載されているコラム『正論』の第1回(1973年6月25日付)を執筆した。
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[編集] 略歴
[編集] 学歴
[編集] 職歴
- 1937年4月 三菱信託入社
- 1946年 旧制成蹊高等学校教授
- 1949年8月 京都大学法学部助教授
- 1949年10月 京都大学法学部教授
- 1970年7月 防衛大学校校長
- 1971年4月 京都大学名誉教授
- 1978年7月 平和・安全保障研究所理事長(1996年まで)
- 1982年4月 青山学院大学国際政治経済学部教授(1990年まで)
[編集] 受賞歴・叙勲歴
[編集] 著書
[編集] 単著
- 『ロシア革命史――社会思想史的研究』(白日書房、1948年/世界思想社、1951年/新版、世界思想社、1970年/中央公論社[中公文庫]、1994年)
- 『共産主義の系譜』(みすず書房、1949年/補訂版、角川書店[角川文庫]、1953年/新増訂版、1970年/再度増訂版、1984年)
- 『戦う社会民主主義――共産主義との対決』(実業教科書、1949年)
- 『ドイツ共産党史――西欧共産主義の運命』(弘文堂、1950年)
- 『スターリン』(社会思想研究会出版部、1951年)
- 『三つの共産主義――レーニン・トロツキー・スターリン』(養徳社、1951年)
- 『ロシヤ史入門』(創文社、1952年)
- 『戦争と革命』(雲井書店、1952年)
- 『政治変動論』(世界思想社、1953年)
- 『日本の方向――反動に抗して』(創文社、1953年)
- 『人間尊重のために――西欧に学ぶもの』(河出書房[河出新書]、1955年)
- 『国際政治の展開』(有信堂、1956年)
- 『政治学新講』(有信堂、1956年/新訂版、1959年/増訂版、1969年)
- 『民主的社会主義のために』(有信堂、1958年)
- 『民主的社会主義』(中央公論社、1960年)
- 『議会政治を守るために』(有信堂, 1961年)
- 『独裁の政治思想』(創文社、1961年/増訂版、1984年/三訂版、2002年)
- 『政治学ノート 第1』(有信堂、1962年)
- 『社会思想入門』(有紀書房、1962年)
- 『独裁者』(筑摩書房、1963年)
- 『政治学ノート 第2』(有信堂、1965年)
- 『激動する世界と日本』(有信堂、1965年)
- 『随想・世界と日本』(有信堂、1965年)
- 『政治をみる眼』(世界思想社、1968年)
- 『歴史の転換点』(文藝春秋、1968年)
- 『国際政治をみる眼』(世界思想社、1968年)
- 『冷戦と共存(大世界史25巻)』(文藝春秋、1969年)
- 『国を守る――熱核時代の日本防衛論』(実業之日本社、1972年)
- 『現代政治の虚像と実像』(世界思想社、1974年)
- 『七つの決断――現代史に学ぶ』(実業之日本社、1975年)
- 『安全を考える』(朝雲新聞社、1977年)
- 『評伝吉田茂(上・中・下)』(読売新聞社、1978年-1981年/筑摩書房[ちくま学芸文庫]、1995年)
- 『軍事大国への幻想――真に国を守るには』(東洋経済新報社、1981年)
- 『吉田茂(日本宰相列伝18)』(時事通信社、1986年)
- 『天皇陛下』(TBSブリタニカ、1986年)
- 『歴史の黒白――これだけははっきり言っておく』(ネスコ、1990年)
- 『政治の文法――日本・アメリカ・ソ連』(世界思想社、1991年)
- 『軍国日本の興亡――日清戦争から日中戦争へ』(中央公論社[中公新書]、1995年)
- 『私の20世紀――猪木正道回顧録』(世界思想社、2000年)
[編集] 共著
[編集] 編著
- 『ソ連邦』(毎日新聞社、1954年)
- 『日本の二大政党』(法律文化社、1956年)
- 『独裁の研究』(創文社、1957年)
- 『タイ・ビルマの社会経済構造』(アジア経済研究所、1963年)
- 『共産主義』(至文堂、1967年)
- 『日本政治・外交史資料選』(有信堂、1969年)
[編集] 共編著
- (多数)『現代史事典』(創文社、1955年)
- (中山治一)『世界歴史(7)現代の世界』(人文書院、1965年)
- (勝田吉太郎)『世界の名著(42)プルードン・バクーニン・クロポトキン 』(中央公論社、1967年)
- (神川信彦)『講座日本の将来(2)現代日本の政治――分析と展望』(潮出版社, 1968年)
- (勝田吉太郎・渡辺一)『政治学』(高文社、1972年)
- (市村真一)『共産圏諸国の政治経済の動向』(創文社、1974年)
- (高坂正堯)『日本の安全保障と防衛への緊急提言』(講談社、1982年)
[編集] 訳書
- ルードウィヒ・フォイエルバッハ『死と不死について』(鬼怒書房、1948年)
- フェルディナント・ラッサール『学問と労働者』(日本評論社, 1949年)
- ロレンツ・フォン・シュタイン『社会の概念と運動法則』(みすず書房, 1949年)
- カール・マルクス、フリードリヒ・エンゲルス『原始マルクス主義――独仏年誌論集』(社会思想研究会出版部, 1949年)
- フェルディナント・ラッサール『学問と労働者・公開答状』(創元社[創元文庫], 1953年)
- バートラム・ウルフほか『ソ連社会の変遷』(時事通信社、1958年)
- フリッツ・シュテルンベルク『マルクスと現代』(創文社、, 1960年)
- ルイス・フィッシャー『レーニン(上・下)』(筑摩書房、1967年/新装版、1988年)