熊山遺跡
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熊山遺跡(くまやまいせき)は岡山県赤磐市の熊山山上にある仏教遺跡。国指定史跡。
[編集] 概要
熊山遺跡とは古来より信仰の対象となっていた熊山(508m)の山頂付近にある、基底部と3段の基壇で構成された石積みの建造物である。奈良時代前期に建造されたと思われる仏教遺跡である。 この基壇の周囲には室町時代前期頃まで霊山寺という寺院があった。
弥生時代以前より原始信仰が行われていた磐座(いわくら)の上に、流紋岩を正方形に組み上げている。2段目には龕(がん)と呼ばれる仏像などを納める厨子と思われる四角い横穴が4面に開けられている。全高は約3.5m、各辺の長さは基底部が約12m、下段が約7.7m、中段は約5.2m、上段は約3.5mである。
基壇の中央には縦穴があり、その中に高さ162cmの陶製の筒型容器が納められていた。容器内には三彩の小壷と皮革に文字が書かれた巻物が入っていたと伝えられているが昭和初期に盗掘にあい現在は行方不明である。なお、筒型容器は奈良県天理市の天理大学に収蔵されている。
この基壇の目的については、戒壇説、墳墓説、経塚説などがあった。しかし近年の研究により、遺物や龕の存在などから仏塔であったことが判明している。 1956年(昭和31年)9月27日に、国の史跡に指定された。
また、熊山の標高350m以上には大小32基にも及ぶ類似の基壇の遺構が確認されている。