準キャリア
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準キャリア(じゅんきゃりあ)とは、日本の中央省庁の一部において、国家公務員採用II種試験に合格して採用された者を指して言う俗称である。同I種で採用された者を俗にキャリアと呼ぶのに倣って使われる。II種採用枠が他官庁に比べて少ないためI種採用者に準ずる幹部候補生としての待遇を受けるような一部の官庁(特に警察庁)の職員に対して用いられるが、II種職員を多数採用する官庁では中堅層を構成するにすぎないため、「キャリア」にくらべ俗語としての使用場面は限られる。
[編集] 警察の事例
警察庁の場合は、国家公務員II種試験を経て本庁に採用された警察官を指し、階級は巡査部長からスタートする(管区警察局に採用されたII種試験合格者は警察庁事務官や警察庁技官で任用される。)。他省庁に比べキャリアとの処遇差が少ないとされるが、昇進しても警視長(本庁課長級)あたりが最高とされ、トップレベル(警察庁長官、次長、局長クラス、警視総監や副総監など)へ至ることがほぼできない(キャリアによってほぼ占められる)点は他省庁と同じである。 以前は各道府県警採用後に警察庁に入庁するというシステム(推薦制度)が存在したが、転勤が多いなどの理由で拒否する者が多く、それを補填するためにII種を導入したという経緯がある(神一行著、『警察官僚』参照)。