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機動戦士ガンダム vs.シリーズ - Wikipedia

機動戦士ガンダム vs.シリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

機動戦士ガンダム vs.シリーズとは、カプコンが開発、バンプレストが発売している以下のアーケード・及びコンシューマーゲームの総称である。

目次

[編集] シリーズ一覧

宇宙世紀シリーズは、新作と旧作の違いが新機体・新要素の追加、システムやバランスの細かい調整に留まっており、ベースは同じゲームである。
それに対し、SEEDシリーズは基本操作・画面構成・機体の運動特性が全くの別物となっており完全な新作となっている

[編集] シリーズを通しての基本システム

二つある勢力チームのうちどちらか片方のチームに所属し、自機と僚機の二機編制チームで戦う3D対戦アクションゲームで、両軍合わせて4人同時プレイが可能となっている。機体にはそれぞれ強さに応じたコストが設定されており、撃墜されると自軍チームの『総コストゲージ』が減少し、それが尽きた時点でそのチームの敗北となる。

[編集] 宇宙世紀シリーズとSEEDシリーズの相違点

[編集] コスト

宇宙世紀シリーズは総コスト600に対し、SEEDシリーズは総コスト1000として各種メディアにて表記されている。

[編集] 操作系統、ステージ

空中ダッシュ
宇宙世紀シリーズでは、『空中でレバーを素早く二回倒す』事でダッシュ移動する為、まず上昇しなければダッシュ移動ができず、ダッシュ中も重力によって徐々に下降する。それに対し、SEEDシリーズではブーストボタンの二連打によって正面もしくはレバー入力方向にダッシュし、ダッシュ中は重力ではなくサーチ中の敵機を中心として軸移動する。
空中ステップ
宇宙世紀シリーズでは空中ステップが不可能で、ステップ=地上における回避・移動手段という概念が存在する。
格闘コマンド入力
宇宙世紀シリーズが、自機の移動状況(空中にいる、ステップ中である等)によって発動する格闘技が決まっているのに対し、連合vs.ザフトシリーズは格闘ボタン入力時のレバー入力方向により、出す格闘技を状況によって選択できる。
格闘モーション
宇宙世紀シリーズは格闘技のモーションが遅く、SEEDシリーズと比較して見切られやすい。
宇宙ステージ
宇宙世紀シリーズでは連邦vs. ジオンDXから地面と重力の存在しない宇宙空間ステージが用意され、宇宙空間ステージでは上下移動専用の操作もあったが、SEEDシリーズでは宇宙空間ステージは廃止され宇宙ステージも全て地面と重力が存在する。

[編集] ダウン、よろけ、シールド防御

空中ダウン回避
宇宙世紀シリーズでは空中で攻撃(よろけ判定でシールド防御でない)を受けた場合は必ずダウンし、SEEDシリーズでは空中でよろけても地面に墜落する前に何れかのボタンを押すとダウンを回避できる。
連続ヒット時のダウン基準改定
宇宙世紀シリーズが、連続ヒット補整の切れないままよろけ続けると五回目でダウンするのに対し、SEEDシリーズは攻撃毎に定められたダウン数値が一定を越える事でダウンするようになっている。
シールド防御発動
宇宙世紀シリーズのシールド防御は自動的に発動するのに対し、SEEDシリーズでは手動で『方向キーを素早く下→上へ入力する』ことで発動させるが、入力タイミングがシビアなため望むタイミングで発動させることが難しい。
シールド破損
宇宙世紀シリーズでは「連邦vs.ジオン」のギャンと「エゥーゴvs. ティターンズ」のΖガンダムを除いてシールドに耐久値が設定されており、ダメージが耐久値を超えるとシールドが破損し防御が不可能になるが、SEEDシリーズではシールド耐久値が設定されておらず、何度でも防御可能。
シールドが破損すると、シールドに装備している武器も使用不能となりシールドで殴る格闘動作も他の動作に置き換えられる。一部機体ではシールドが破損すると、格闘攻撃が強化される場合もある。(ガンダムの二刀流など)ガンダムやジム、グフ、ゲルググは2段階破損。ザク、ハイザック、マラサイの右肩の盾は本体の一部として扱われる。

[編集] 武装、ルート選択

武装による機種の区分け基準
複数種類の武装が選択可能な機種[1]の場合、宇宙世紀シリーズでは1機種として扱う(MS選択直後に主武装を選択する)のに対し、SEEDシリーズでは同一機種でも主武装が違えば別の機種として扱うため、武装が違うとコストも違う機種が存在する(大型ミサイルを装備したジン、ストライカーパックを装着しないストライクガンダム)ほか、SEEDシリーズで搭乗する機種数も宇宙世紀シリーズ流に武装違いの同一機種を1機種としてまとめると公称より機種数が減る。
アーケードモードをプレイするまでの手順
  • 宇宙世紀シリーズ:所属勢力選択→ルート選択→プレイヤーネーム入力orキャラ選択→地上用MS選択(→武装選択)→宇宙用MS選択(→武装選択)→プレイ開始
  • 連合vs. Z.A.F.T.:MS選択→プレイヤーネーム入力orキャラ選択→プレイ開始(ルートはキャラ毎に固有)
  • 連合vs. Z.A.F.T. II:ルート選択→MS選択→プレイヤーネーム入力orキャラ選択→プレイ開始

SEEDシリーズではMSは1機種しか選択できないが、地上専用MS[2]を選んだ場合、ルートは地上ステージのみのアナザールートとなる(SEEDシリーズには、宇宙世紀シリーズのボールジオングのような宇宙ステージ専用MSは存在しない)。

[編集] 所属勢力

宇宙世紀シリーズではアーケードモードをプレイする際にまず所属勢力(地球連邦軍かジオン公国軍、あるいはエゥーゴかティターンズ)を選択する必要があったが、SEEDシリーズではこれが廃止されたため、以下の点が変更された

鹵獲カラー廃止
SEEDシリーズでは所属勢力の選択が廃止されたことに伴い、宇宙世紀シリーズでは所属勢力の敵のMSを選択(例えば、連邦軍を選択後にザクを選択)すると登場する(アーケードでは設定で登場しないこともあるが、ジムIIとガンダムMk-IIはエゥーゴ/ティターンズのどちらでも使用可能なため必ずエゥーゴカラーとティターンズカラーが登場する。)、鹵獲カラーが廃止された。
キャラ組み合わせの勢力制限廃止
宇宙世紀シリーズではアーケードモードにおいて敵対勢力のキャラ同士がコンビを組むことは不可能であったが、SEEDシリーズでは所属勢力選択の廃止に伴いキャラクターのコンビの組み合わせもキャラの所属勢力に縛られなくなったため、所属勢力の枠を超えたキャラ同士のコンビも組むことが可能。

[編集] 通信対戦(宇宙世紀シリーズ)

宇宙世紀シリーズのコンシューマー版は全てネット対戦に対応しているが、SEEDシリーズは対応していない(連邦vs. ジオンは2004年8月2日にサービス終了している)。

ログインするとガンダムの世界観に見立てた世界マップ画面が表示され、その中にある「ジャブロー」「ダカール」「サイド7」等の戦場を選択する事となる。一つの戦場には固有のチャット画面と「パートナー自動選抜」機能、最大20個までホスト式の対戦部屋を作成できる画面が存在し、それぞれ全てがその戦場固有のものであり、他の戦場とは別個に機能している。戦場によって「勝率5割以上のプレイヤーのみ」「旧機体のみ」など、特別なルールが存在するものもある。戦場の名称は対戦において選択できるステージの名称と同じとなっているが、実際にその戦場で対戦が開始された場合のステージが戦場の名称によって決まるという事はなく、オフラインの対戦モードと同じように機体選択画面で一緒に選択する(尚、ステージ選択の作業はホストプレイヤーが行なう)。実際の所、プレイヤー人口が少ない為に、隠れ里的に利用される戦場の方が圧倒的に多いという実状がある。また、チームで協力して戦うというゲーム性故に、お互いのプレイヤーの技術・戦略・戦術・連係がかみ合わない事による不満を理由としてチャットで口論したり、ゲーム中に接続を切って対戦を無効にするプレイヤーが増殖。通常の対戦を想定していないネタ的な機体を選択する事にシステム的な制限が無かった事、そもそもゲームバランス自体に問題がある等、様々な要因が絡み、対戦環境は劣悪そのものであった。

[編集] シリーズにおける戦略・戦術・専門用語

※以下の(375)等の数値は『Ζ』シリーズの機体コストを参考として表したもの

コスト戦略
低コスト機体の編制で出撃し機体の補充数を重視する(195+200等)、双方の機体のコスト差を作り、コストの小さい機体が前衛に出て複数回撃破され、コストの大きい機体が援護する(160+275、295+375等)など、幾つかの戦略が存在する。定石とされているのは、お互いの機体コスト合計値が自軍総コストをオーバーしない範囲内で、最もコストの高い機体同士(310+275、375+195等)で編制、それぞれが1回ずつ撃破されるという戦略である。ガンダムvs.シリーズでは、機体の性能とコストが正比例するよう設定されており、自軍コスト残量が少なくなるほど機体がパワーアップする『残コスト補整』の存在も手伝って、基本的にどの組み合わせでも自軍総コストを使い切る事を最重要としている。ただし、最高コスト機体同士で組み、コスト戦略より機体の強さで押し切ってしまおうという戦略も存在する(375×2)。
片追い
敵機の片方を、敵の戦略上の予定より多い回数だけ撃破しコスト戦略を崩そうという戦術。ごく簡単な例を出すと、300+295のコンビの場合、300を一度撃墜した後に295を残したまま補充された300をもう一度撃墜してしまえば、総コストは600なので295は1機分の働きしかできないまま作戦終了となってしまう。「片方を狙う」という意味から片追い、方追い等と呼ばれている。片追いを成功させる為には、相方との連係は勿論だが機体の移動力も重要となり、変形の要素を持つ『Ζ』シリーズから爆発的に流行し、研究された戦術である。
体力調整
コスト戦略を円滑に進める為の基本事項で、片追いの対抗策でもある。例えば、同時落ちしたい場合は被弾の大きい方が後衛に下がる等して、コスト戦略の都合に応じて撃破されるタイミングを合わせる事が体力調整と呼ばれている。上記の片追いの例で挙げたコンビの場合、300が撃破された時点で295が瀕死であれば、すぐに撃破される事で片追いを阻止する事ができる。
先落ち特攻
自軍のコスト戦略を、無茶な特攻によって自ら崩す行為の総称。
闇撃ち
こちらを見ていない敵に不意打ちする事。空間を舞台とし、視点移動も移動軸も攻撃誘導も全てサーチに頼っている本シリーズでは非常に有効な攻撃法である。
十字砲火
1機の敵に対して相方と連係して攻撃する場合に、片方が敵の側面に回り込んで攻撃し、避け辛くしようという攻撃法。
クロス
相方と連係し、1体の敵機に対して交互に射撃を行なう事。このゲームのモビルスーツはアニメのように高速でビームを連射する事はできないが、お互いの射撃硬直を敵機のよろけ時間によってカバーし合い、敵機をハメて大ダメージを与える事が可能。
カット
相方を襲っている敵機に闇撃ちを入れ、相方を助ける事。
タイマン
1vs1の状況を指す。この状況に強い事を「タイマンが強い」等と表現する。この状況に拘るあまり、適切な立ち回りができないプレイヤーを「タイマン厨」と呼ぶ向きもある。実際にタイマンの強さがどれだけ重要かというと、あくまでビデオゲームである本シリーズはサッカーや将棋のように専門的な研究がなされている訳ではないので、数値化する事は難しい。しかし、プレイヤー間の一般論としては、戦略的な都合に沿わずにタイマンという状況自体に拘る立ち回りを評価しない意見が圧倒的多数派である。また、後期シリーズになるほどタイマンの重要性は薄れていくともされている。
着地取り
敵機の着地硬直にこちらの攻撃を合わせて当てる事を指す。本ゲームでは空中から地面へ着地した際に、一定時間行動できない「着地硬直」が設定されており、この行動不能時間を狙うのである。プレイ中は「機体が空中から接地する」機会は非常に多く、常に着地を取られぬよう立ち回るのが基本とされている。また、敵の着地を狙うように間合いを詰める事は、ステップ取りへの布石となる(ステップしないと着地取りを回避できないという状況に追い詰める事ができる為)。
着地ずらし
着地するタイミングが読まれ辛いようにする事。
ステップ取り
敵機のステップ硬直にこちらの攻撃を合わせて当てる事を指す。ステップ自体が敵の攻撃誘導を解除する効果を持つので、その硬直を取る為にはステップの移動先を読み、こちらの攻撃補整が正確に働く距離・角度をキープしなければならず、着地取りに比べて難度が高い。
軸合わせ
敵機の移動する直線軸と、こちらの攻撃が進行する軌道の直線軸を同じに合わせて命中率を高める事を指す。ガンダムvs.シリーズにおける攻撃誘導は、敵の移動予測地点を狙う訳ではなく、あくまで現在位置を追うだけなので、この軸合わせの重要度は高い。
接射
敵機に対して至近距離で射撃し、確実に命中させる攻撃法。至近距離で弾を射出すれば射出した瞬間に弾が命中して物理的に回避できない為、硬直取りと同じ確定状況の一つでもある。
ズンダ
空中で射撃後、一定のタイミングで着地すると着地硬直によって射撃硬直を上書きする事ができる。これを利用し、通常より短い間隔で次の攻撃を繰り出す事を指す。
起き攻め
ダウンから復帰した直後の敵を狙う事。地上で起き上がってからでなければ行動できず、相手が起き攻めしてくるという前提の上で行動しなければならない受け側に対し、攻め側は一方的に攻撃の主導権を握り、自由なポジションから行動を選択可能な為、受け側は心理的なプレッシャーを受け、読み負けし易い。
サンダーボルト
敵機がステージに補充され、復帰した瞬間を狙う事を指す。起き攻めと闇撃ちの効果を併せ持つ。
切断
通信対戦において、ハードウェア本体に接続されているケーブルを故意に抜き差しする事でサーバーとの回線をゲーム中に切り、不利な対戦などを無効にする行為。ネット対戦ゲームにおいてはよく見られ、本シリーズもそれは例外ではない。

[編集] 補足

  1. ^ 宇宙世紀シリーズ:ガンダム陸戦型ガンダム陸戦型ジム旧型ザクザク/シャア専用ザクΖガンダムガンダムMk-II百式リック・ディアスディジェハイザックハンブラビパラス・アテネ
    SEEDシリーズ:ストライクガンダムジンバクゥインパルスガンダムザクウォーリア/ザクファントムアカツキウィンダムダガーL
  2. ^ 宇宙世紀シリーズ:陸戦型ガンダム、陸戦型ジム、グフズゴック/シャア専用ズゴックゴッグアッガイゾック、ディジェ、アッシマー
    SEEDシリーズ:ジンオーカージンワスプザウート、バクゥ、ラゴゥディン/指揮官用ディングーンゾノガズウートアッシュバビ、ダガーL(ジェットストライカー)、ウィンダム(ジェットストライカー)

[編集] 関連項目


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