機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズDX
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『機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズDX』は、2004年8月にバンダイが発売した、アニメ『機動戦士Ζガンダム』の世界観によるゲームで、開発はカプコンが担当した。前作にあたる『機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズ』に数々の新要素が追加され、ゲームバランスも調整された。ΖDXやエウティタDXなどと略される事が多い。データ部はDVD-ROMで販売され、システム基板は前作と同一の物となっている。
本作は2004年8月13日に1次出荷が行われ、9月7日に2次出荷が行われた。なおロケテストは2004年5月頃から大阪府京橋にあるゲームセンターを皮切りに大阪・東京を中心に複数のゲームセンターで7月頃まで断続的に行われていた。
家庭用ゲーム機への移植としては、2004年12月9日に『機動戦士ガンダム ガンダムvs.Ζガンダム』のタイトルでプレイステーション2版とニンテンドーゲームキューブ版が発売された。機種によって多人数対戦の方式が異なる(PS2版は通信対戦、GC版は画面4分割)ほか、アニメ版ストーリーのifを体験できる「宇宙世紀モード」や、『機動戦士ガンダムΖΖ』から主役機『ΖΖガンダム』が参戦するなどの追加要素あり。
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[編集] 主な変更点
基本的なゲームシステムについては、『機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズ』および、シリーズの雛型となった『機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン』を継承しているので、くわしくは当該記事を参照の事。代表的な新要素として覚醒システムの追加、新ステージ・新しいモビルスーツの追加などがあげられる。
[編集] 覚醒
覚醒とは前作におけるハイパーコンビネーションに代わり導入されたものである。これは敵から攻撃を受けたりする事によって増加する覚醒ゲージを溜める事によって、一定時間特殊なアドバンテージを得ることができる。この特殊なアドバンテージは強襲・機動・復活の3種類が存在し、ステージ開始時にプレイヤーが任意に選択する事ができる。なお3種のアドバンテージの内、強襲と機動は覚醒ゲージさえたまっていればスタートボタンを2回連打する事によって、任意に発動ができる(2人で協力プレイをしている際は相方もいっしょにスタートボタンを2回連打する必要がある)が、復活については覚醒ゲージが溜まっている時に自機が破壊された時のみ発動し、任意で発動する事はできない。各個の動作特性については下記を参照。
- 強襲
- 発動すると一定時間攻撃力がアップし、敵の攻撃を受けてもよろけたりダウンしたりしなくなる。また攻撃モーションも若干だが早くなり、強襲発動中にしか決められない連携もある。ただし、攻撃を食らうと耐久値は通常どおり減少する。アドバンテージが得られる時間は短いが、攻撃を当てると若干有効期間が延長される。前作のハイパーコンビネーションに近い仕様。
- 強襲発動中は、連続被弾時のダメージ補正がかからないため、パラス・アテネの大型ミサイルや、陸戦型ガンダムのミサイルランチャー、スーパーガンダムのロングビームライフル、キュベレイの収束ビーム等の直撃で致死的なダメージを受けるため注意が必要。
- 機動
- 発動すると一定時間自機と味方機の機動力が飛躍的に向上する。ただし強襲と異なり、攻撃を受けた場合は通常どおり、よろけたりダウンしたりしてしまう。なお比較的長時間アドバンテージが得られる。
- 復活
- 自機が撃破された際に自動で発動する。発動すると、通常減少するコストゲージが減少せずに耐久力が25%の状態でその場に復帰する。ただしペナルティとして機体の一部(腕部や頭部など機種によって異なる)が破損し、行動に制約がかかる(変形が不可能になったり、一部の武装が利用不能となったりする)。また、一定時間防御力が向上する。なお発動による機体の破損は2段階あり、2段階目ではじめて目に見える制限が発生する機体もあり、宙域と地上ステージでは壊れ方が違う場合(例:百式は地上では足は失わないが、宙域では足を失う)もある。
[編集] ステージの追加
DXでは数種類の新ステージが追加され、さらにシステム設定画面に特定のパスワードを入力する事により、さらに新規ステージが登場する。また機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオンや家庭用版で登場したステージも登場するようになる。
これら新ステージとは別にCPU戦時に特定の条件を満たした際に行ける、EXステージという特殊なステージも存在する。強力な敵が次々と出てくるため通常のステージと比べ難易度は高い。
[編集] その他の新要素・変更点
※モビルスーツ各個の新要素・変更点については登場モビルスーツの項を参照。
- 浮遊
- 一部のモビルスーツに浮遊という特殊機動が追加された。
- 旧機体の強化
- 連邦vs.ジオンに登場した機体(いわゆる旧機体)の多くは、前作に比べ攻撃力や搭載弾数が向上した。
[編集] 登場モビルスーツ
既存機体については前作からの変更点と「復活」発動による影響の一部(この他、遠距離砲撃が不可能になったり、可変モビルスーツは変形不可能になるなどの制約がある)のみを記す。基本仕様については『機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズ』や『機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン』のモビルスーツの項を参照のこと。
[編集] エゥーゴ
- Ζガンダム
- ハイパーメガランチャーのリロード速度が低下し、発射の際の隙も増加した。前作では壊れなかったシールドが、ある程度の攻撃を受けることによって壊れるようになった。「復活」発動後の他、盾が破損しても変形できなくなる。ビームライフル装備時は2回目の「復活」発動でサブ射撃が使用不可能となる。
- 百式
- 一部の格闘攻撃が変更されている。
- リック・ディアス(赤)
- メイン射撃のひとつであるクレイ・バズーカの追尾性能が低下した。
- リック・ディアス(黒)
- コストが225に下げられた。
- ネモ
- 「復活」発動時に左腕ごと盾を失う。このため空中ダッシュ格闘ができなくなる。2回目の発動時にはサブ射撃も失う。
- メタス
- 家庭用に比べ耐久値が下げられた。また、「復活」発動でサブ射撃が使用不可能になり、メイン射撃も単発となるが、1発で敵がよろけるようになる。
- ディジェ
- スーパーガンダム
- メイン射撃のロングビームライフルが建物を貫通しなくなり、リロード速度も遅くなった。「復活」が発動するごとにサブ射撃の発射数が減少する(2→1→0)。
- Gディフェンサー
- CPU戦で敵機体として登場。
[編集] ティターンズ
- ハイザック
- 「復活」発動でシールドが失われる。
- ハイザック・カスタム
- メッサーラ
- 副兵装であるミサイルの軌道が変化した。また、2回目の「復活」発動でメイン射撃が単発となる。
- ガブスレイ
- 「復活」が発動すると格闘攻撃が弱体化する。
- ハンブラビ
- コストが295に落とされた。2回目の「復活」発動でサブ射撃が使用不可能になる。
- アッシマー
- ビームライフルの攻撃力が低下した。2回目の「復活」発動で格闘攻撃が弱体化する。
- ギャプラン
- サブ射撃の攻撃力が減少した。また、「復活」発動後はサブ射撃も単発となる他、2回目の発動では格闘攻撃の威力も低下する(二刀流でなくなるため)。
- ジ・O
- 2回目の「復活」発動で射撃武器を失う。
- サイコガンダム
- MS形態では特殊格闘操作でガードを行った際に同時にiフィールドを張るようになった(ガードしていないときでも防御力は高くダメージは他の機体に比べて小さい)。「復活」が発動しても制限事項はない(変形も可能)。
- サイコガンダムMk-II
- 新機体。メイン射撃は拡散ビーム砲、周囲にリフレクタービットが多数浮遊しておりサブ射撃はこれを利用してビームを反射し攻撃(双方とも変形中も使用可能)。格闘攻撃はビームサーベルやロケットパンチ(変形中は拡散ビーム砲を撃つ)。「復活」が発動しても一切の制限を受けない(変形も可能)。MS状態でのiフィールドは特殊格闘で張る。
- マラサイ
- 2回目の「復活」発動で格闘攻撃が全てタックルに統一される。
- ガルバルディβ
- 2回目の「復活」発動で盾を失いシールドミサイルが使えなくなる。
- バウンド・ドック
- 「復活」発動でサブ射撃を失う。
- ボリノーク・サマーン
- 新機体。メイン射撃はビーム砲、サブ射撃はグレネードランチャー。格闘武器はビームトマホークだが、「復活」発動後は右腕の格納部で殴る。敵機が所有する武器の弾数がロックオンサーチの部分に自動で表示される。コスト225。
- バーザム
- 新機体。メイン射撃はため撃ち可能なビームライフル、サブ射撃はバルカン砲。格闘武器はビームサーベル。「復活」発動ごとにサブ射撃→メイン射撃と失っていく。コストは200。
- バイアラン
- 新機体。兵装は射撃用のビーム砲と格闘用のビームサーベルのみ。サブ射撃の操作でビームサーベルを前方に構えて突進する。コストは250。
- パラス・アテネ
- 新機体。メイン射撃はビーム砲、サブ射撃を拡散ビーム砲・シールドミサイル・大型ミサイルから選べる。格闘攻撃はビームサーベル。コストは300。
- 「復活」発動時の効果はサブ射撃により異なる。
- 拡散ビーム砲の場合、通常は両サイドから計2発撃つがこれが1発だけになる。
- シールドミサイルの場合サブ射撃が使用不可能になる(強制的に盾を失う)。
[編集] アクシズ・ジオン公国
- キュベレイ
- ガザC
- 新機体。メイン射撃はナックルバスター(右胸ブロックと一体化したビームライフル)、サブ射撃は背部ビーム砲。格闘武器はビームサーベル。変形のためには一度中間形態を取る必要があり、変形中(中間・MA問わず)はサブ射撃が同時に2発撃つ仕様となり格闘攻撃も変化する。なお、「復活」発動で中間形態への変形も不可能になる。コスト195。
- 旧型ザク
- 格闘の攻撃力が強化され、サブ射撃であるクラッカーの弾数が増加した。「復活」発動時に左腕を失い、クラッカーが使用不能となる。
- ザク
- 「復活」発動時に左腕を失い、サブ射撃としてミサイルポッドを装備していない場合クラッカーが使用不能となる。
- シャア専用ザク
- 「復活」発動時に左腕を失い、サブ射撃であるクラッカーが使用不能となる。
- グフ
- 「復活」発動後はメイン射撃が使用不可能。
- ズゴック
- 「復活」発動時に腕を1つずつ失う。格闘攻撃に影響が出るほか、2回目でメイン射撃が使用不能になる。
- シャア専用ズゴック
- 「復活」発動時に腕を1つずつ失う。格闘攻撃に影響が出るほか、2回目でメイン射撃が使用不能になる。
- ギャン
- 「復活」発動時に盾を失い、射撃武器が2つとも使用不能になる。
- ゲルググ
- シャア専用ゲルググ
- ゴッグ
- 「復活」発動で腕を失い、格闘攻撃が変化する。2回目で両腕を失い、通常格闘も特殊格闘と同じ頭突き攻撃になる。
- ゾック
- 「復活」発動で片腕を失い、格闘攻撃がパワーダウンするが、2回目でもう一方を失うことはない。
- アッガイ
- メイン射撃である頭部バルカン砲の弾数が増加、また全般的にダメージが向上した。復活したときは右腕を失い、一部格闘攻撃の威力がダウンする。さらに2回目では左腕も失い、通常格闘攻撃が頭突きに変わり、またサブ射撃攻撃もできなくなる。
- ジオング
- 「復活」発動時に腕を1つずつ失い、メイン射撃&サブ射撃の同時使用可能数が減少する(2→1→0)。2回発動しても格闘攻撃に設定されている頭部のビーム砲は使用可能。なお2回発動しても胴体はそのまま残っている(後述するガンダムと違い、『機動戦士ガンダム』最終話のように頭だけにはならない)。
[編集] 地球連邦軍
- ガンダム
- 「復活」発動時、1回目で左腕を失うため、シールドを失う上に本来シールドなし状態で使える二刀流も使用不可能になる。2回目で頭部も失い(ちなみに2回発動した後の姿は『機動戦士ガンダム』最終話と同じ)サブ射撃も使用不可能になる。
- ガンキャノン
- ガンタンク
- 「復活」発動時に腕を1つずつ失い、サブ射撃が単発(4連射)→使用不能となる。
- ジム
- 「復活」発動後はサブ射撃が使用不能。2回目ではシールドも失う。
- 陸戦型ガンダム
- 2回目の「復活」で左腕を失い盾を失うほか、マシンガンの場合はリロードも不可能になる。
- 陸戦型ジム
- 2回目の「復活」で左腕を失い盾を失うほか、マシンガンの場合はリロードも不可能になる。
- ボール
- 「復活」をしても何も破損しない(2回目で遠距離砲撃が不可能になるだけ)。
[編集] エゥーゴ・ティターンズ共通
[編集] 登場パイロット
本作では、『機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズ』に登場したパイロットに加え、『機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン DX』に登場したパイロットも使用することができる。連邦軍のパイロットを使用するにはエゥーゴを、ジオン公国軍のパイロットを使用するにはティターンズを選択する必要がある。
また、以下のパイロットが追加された。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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宇宙世紀 | 連邦vs.ジオン/DX - エゥーゴvs.ティターンズ(DX) - ガンダムvs.Ζ |
コズミック・イラ | 連合vs.Z.A.F.T./PORTABLE - 連合vs.Z.A.F.T.II/PLUS |
オールスター | 機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム |