月の輪古墳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
月の輪古墳 | |
---|---|
所在地 | 岡山県久米郡美咲町飯岡字主馬ノ奥 |
位置 | 北緯34度56分30.66秒 東経134度6分32.06秒 |
形状 | 円墳 |
規模 | 直径60m、高さ10m |
築造年代 | 5世紀前半 |
被葬者 | 不明 |
出土品 | 首飾り、鏡、短甲、刀、櫛、鉄針など |
史跡指定 | 昭和34年(1959年)県指定 |
月の輪古墳(つきのわこふん)は、岡山県美咲町飯岡(ゆうか)の大平山(標高320m)山頂に5世紀前半に築かれた古墳である。
[編集] 概要
直径60メートル、高さ10メートルの大型円墳で中腹に1メートルの段が設けられ、北側裾に造り出しがある。墳頂の平坦部は直径17メートルで、木棺粘土槨が2基あった。斜面には角ばった石で葺石が敷かれ、墳頂周囲・段上・裾には円筒形埴輪と朝顔形埴輪が並べられていた。
昭和28年(1953年)岡山大学助手(当時)の近藤義郎を中心に、8月から12月にかけて地元の住民や教師、学生らによって発掘運動・調査が行われた。この一連の運動・調査は「月の輪方式」と呼ばれ学術的に、教育的に、また地域運動としても当時の話題となった。この記録は翌昭和29年(1954年)スライドと記録映画となり、文集『月の輪教室』として記録された。古墳は昭和34年(1959年)9月15日に岡山県の史跡に指定された。
この発掘で墳頂部の2基の木棺のうち、中央のものは全長565センチメートルで男性と見られる遺骸と首飾り・鏡・鉄製短甲・革製草摺・刀・剣・鉄鏃・銅鏃などの副葬品が出土した。南側の木棺は全長310センチメートルで女性と見られる遺骸と首飾り・漆塗竹櫛・鏡・刀・剣・鉄針・石釧などの副葬品が出土した。北側裾の造り出しからも木棺粘土槨が発見されたが中からは何も出土しなかった。
これらの出土品は、山麓の飯岡地区に昭和49年(1974年)建造された文化財収蔵庫(月の輪郷土資料館)に収蔵されており、昭和59年(1984年)4月10日に岡山県指定重要文化財に指定された。飯岡地区では毎年8月15日頃「月の輪踊りの夕べ」を開催し、月の輪古墳発掘を祝っている。
[編集] 所在地
岡山県久米郡美咲町飯岡