昇仙峡
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昇仙峡(しょうせんきょう)は、山梨県甲府市、甲府盆地北側、笛吹川の支流、荒川上流に位置する渓谷である。正式名称は御岳昇仙峡(みたけしょうせんきょう)。秩父多摩甲斐国立公園に属し、同公園を代表する景勝地として知られる。全長5kmに亘る渓谷は花崗岩を深く侵食して形成された奇岩が至る所に見られる。平成の名水百選に選定されている。
名所として羅漢寺山東側の覚円峰を始め、仙娥滝、登竜岩、人面岩、猫岩、らくだ岩などがあり、豊かな自然に恵まれ、国内にいる鳥類の殆どが棲息しているともいわれる。観光地として注目されたのは甲州街道を通じて江戸から多くの文人が往来した江戸時代にまで遡り、長田円右衛門が御岳新道を開設したことで開けた。
1964年(昭和39)年11月1日仙娥滝から奥に昇仙峡ロープウェイが営業開始、1972年には御岳昇仙峡有料道路(現在無料)が開通し、武田氏関係の史跡と並び甲府市や山梨県の主要な観光地となして整備された。
年間を通して多くの観光客で賑わうが、昇仙峡までの道路が限られており観光シーズンは大渋滞となる。また、公共駐車場があるが収容台数が少ないため入場待ちとなる。観光施設や土産物店に駐車場が併設されているが、施設店舗を利用しないと高額駐車料金を請求されるため路上駐車も多い。
1992年には仙娥滝の近くに昇仙峡影絵の森美術館が建てられ、藤城清治の作品を中心に影絵や切り絵の作品が展示されている。同美術館は1994年に世界一の影絵美術館としてギネスブックに認定された。