旧鎌倉
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旧鎌倉 (きゅうかまくら)とは、鎌倉市内のうち、三方を山、一方を海に囲まれたいわゆる鎌倉七口の内側の地域のこと。往古の「鎌倉城内」に相当する(現在の鎌倉市の区分として鎌倉地域と呼ばれる地区に近い)。現在鎌倉市内とされる郊外の諸地域にも、「北鎌倉」、「鎌倉山」、「西鎌倉」、「鎌倉逗子ハイランド」等、「鎌倉」を名乗る地区があるが、これらと区別する場合に用いられる。「きゅうかま」と略される場合もある。
長野県佐久地方にある避暑地軽井沢の中心部を、周辺の「ニセ軽井沢地区」と区別するために、「旧軽井沢」(略称:きゅうかる)と呼ぶことを真似たものか。
「北鎌倉」地区は、「旧鎌倉」鶴岡八幡宮のすぐ西「巨福呂坂」切通を越えた外側にあるが、最も鎌倉らしい風情を残す地区の一つである。ここには「山ノ内」という由緒ある地名があるにも拘らず、横須賀線「北鎌倉駅」開業以来、何時の間にか、「きたかま」の呼び名の方が有名になった。
「鎌倉山」・「西鎌倉」(腰越地域・深沢地域)は「大仏切通」の北西郊外、「鎌倉逗子ハイランド」は「名越切通し」の北東郊外に位置する「高級住宅街」及び「新興住宅街」である。いずれも大手資本のデベロッパーにより、「旧鎌倉」の外周部にあった貴重な自然環境を破壊して造成されたが、今では構内道路の街路樹として植えられた桜並木の成長等とともに、新たな古都の風情を醸し出す地区となっているという者もいる。