廃棄物固形燃料
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廃棄物固形燃料 (はいきぶつこけいねんりょう、ごみ固形燃料、Refuse Derived Fuel) とは、家庭で捨てられる生ゴミやプラスチックゴミなどの廃棄物を固形燃料にしたものである。
RDFやごみ固形燃料とも呼ばれる。使い道の少ない資源を、熱としてリサイクル(サーマルリサイクル)するために製造される。製造された廃棄物固形燃料は、廃棄物発電やボイラーなどの燃料として有効活用できるとされる。
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[編集] 概要
1990年代後半から、廃棄物埋立場(処分場)の減少に悩む自治体のゴミ減量の切り札として注目を浴びるようになった。海外からのプラント輸入、国内の商社や重電メーカーが独自開発したプラントの売り込みが活発化し、一部の地方自治体が積極的に導入するに至った。
[編集] RDFの製造方法
家庭から分別収集した生ゴミ、紙ゴミ、プラスチックなどを粉砕し接着剤、石灰などを加えて練り上げ、ペレット状にする。
[編集] 失敗事例
普及活動の初期段階から、メーカーが提示した性能を発揮できる施設が少なかったことや、燃料のだぶつきなどで稼働率を落とさざるを得なかったことなどトラブルが続出した。RDFの含水率が高く乾燥設備や発酵を防ぐための温度管理で失敗したと考えられる。
[編集] メカニカルトラブル
- 1999年 御殿場・小山RDFセンター(静岡県小山町)のRDF製造プラントが本格的に始動するものの、メカニカルトラブルが続出した。稼働率が50%を上回ることがほとんど無い上、製造されるRDFの質はプラント製造メーカーの事前予測を遙かに下回った(2005年現在も、改修が続けられている)。
- 2003年9月 三重県桑名郡多度町(現在の桑名市)のRDF発電プラントで、燃料をストックするサイロから火災が発生。消火活動中にさらに爆発が発生し、消防士を含む7人が死傷する事故となった。原因はゴミの発酵によるガスが引火したものと考えられている。爆発後もサイロの燃料は、緩やかに燃え続けたためサイロを解体せざるを得ず、結果的に操業中止に追いやられた。
[編集] RDFの現状
- RDFの普及と歩調を合わせるように、焼却炉から発生するダイオキシン問題が顕在化した。RDFはゴミを燃やすということで施設周辺の住民から反対運動が起き、そのために導入中止に追い込まれる自治体も出た。
- RDFの発熱カロリーが低く、均質的ではないことから、燃焼温度をこまめにコントロールするために少なからず重油が必要となった。
- RDFの含水比率を下げる等ために石灰を投入するケースでは、燃え残りの灰に大量の石灰が残され、産業廃棄物の処理費として多額の費用を要するようになった。
- RDFの利用量が伸びず、ストックを大量に抱えてしまう自治体もある。
[編集] RPF
RDFで利用されていた一般廃棄物ではなく、民間企業から分別された品質の良い(不純物の混ざっていない)産業廃棄物を原料とするものがRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)である。廃棄物の内容が明確であるため、RDFの欠点であった発熱量がコントロールでき、含水量が少なく、ダイオキシンの発生原因とされたPVCを除外できる。少量のエネルギーで製造でき、原油高の影響もあってサーマルリサイクルとしてRDFに変わり、急速に増加している。