幾何光学
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幾何光学(きかこうがく)とは、光の波動性や量子性その他を無視して、光の進む線の性質のみを幾何学的に研究する光学の分野。
光学器械の設計に重要な位置を占める。光の波長が、(光学系のサイズに比べて)極端に小さい場合の現象を取り扱う。
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[編集] 歴史
古代のユークリッドの時代には既に存在していた。その当時は、直進と反射のみであったが、近世になって、屈折の法則が発見された。これが、幾何光学の三法則(直進、反射、屈折)である。光線は、この三法則に従う。
[編集] 関連の原理、数式
幾何光学の三法則は、「光は最短時間で進むことができる軌道をとる」という、フェルマーの原理に集約される。
後に、
と発展していく。幾何光学と波動光学を併せて古典光学と呼び、量子光学と区別する。
幾何光学の完成は、波動光学の創始より遅れて、ハミルトンのアイコナール方程式を待たねばならない。
幾何光学は、光の波長が十分短い場合の極限として表すことができる。このとき等位相面が波面であり、等位相面の法線をつないだものが光線である。
[編集] 関連
軸回りに回転対称な光学系で、光線が対称軸の近くを通る場合に成り立つ近似理論を近軸理論、近軸近似が全空間で成り立つものとしたときの近似理論体系をガウス光学、ガウス光学でレンズの厚みが無視できる場合を薄レンズ近似という。
[編集] 外部リンク