川熊
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川熊、河熊(かわぐま)は秋田県雄物川流域に現れたとされる妖怪。菅江真澄による江戸時代の書物『月乃出羽路』に記述がある。
猟師が雄物川で猟をしていた最中に、川の中から真っ黒な毛だらけの手が現れ、殿様の鉄砲を奪った。悪戦苦闘の末に家来が、雄物川でも最大の真所といわれる洪福寺淵という場所に潜り、川熊から鉄砲を取り返し、その鉄砲はのちに「川熊の鉄砲」「川熊の御筒」と呼ばれるようになったという。
また別の話では、ある船頭が雄物川の岸に船をつけたところ、水音と共に何者かが船の淵に手を掛けたので、驚いてナタで斬り落としたところ、それは猫の前足のようなものであり、雄物川下流の河辺郡川添村椿川(現・秋田市雄和)で川熊の手として残されたという。
信濃川では河熊なる妖怪が堤を切って大水をもたらすといい、「あの土手が潰れたのは川熊の仕業だ」などと言うそうである。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 水木しげる 『妖怪大図鑑』 講談社、1994年。ISBN 4-06-259008-5。
- 村上健司編著 『妖怪事典』 毎日新聞社、2000年。ISBN 4-620-31428-5。