岳温泉
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岳温泉(だけおんせん)は福島県二本松市(旧国陸奥国、明治以降は岩代国)にある活火山安達太良山の中腹にある温泉。
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[編集] アクセス
[編集] 泉質
- 単純酸性泉
- 源泉温度68℃
- 豊富な湯量を誇る
[編集] 効能
- 胃腸病・神経痛・リューマチ
※注 : 効能は万人にその効果を保証するものではない
[編集] 温泉街
源泉は安達太良山直下にあるくろがね小屋近辺にある。そこから温泉街の距離は7kmも離れており、引湯管を用いてお湯を供給している。
高村光太郎の『智恵子抄』に詠われた安達太良山の広い斜面にあり、同じく詠われた阿武隈川を見下ろせる。
[編集] 歴史
坂上田村麻呂による発見と言われる。
江戸時代中期までは源泉地付近に温泉街があったが、土石流によって温泉街が埋まり、現在地より少し離れた場所に移転した。この時から引湯管を用いた温泉供給が始まった。
戊辰戦争の際に、官軍の拠点になることを恐れた二本松藩によって温泉街は焼き払われた。その後、現在地に温泉街が再建された。
[編集] ニコニコ共和国
岳温泉を語る上で欠かせないエピソードと言えば、「ニコニコ共和国」ではないだろうか。1981年、井上ひさし原作の小説、「吉里吉里人」によって、日本各地に「ミニ独立国」ブームが起こった。同時期1982年に東北新幹線が開業すると、東北本線二本松駅に停車する特急・急行列車が激減する事態となり、観光客減少に危機感を抱いた岳温泉旅館協同組合は、何か目玉になるものを作ろうということで、「ミニ独立国」ブームにあやかり、1982年4月28日に「開国」した。
まず、温泉街入口に「国境」を設置したり、温泉街にある温泉協会事務所を「国会議事堂」、豆腐店を「蛋白研究所」、食堂を「国立議員食堂」と称したりした。パロディとしての要素が強いと思われたが、温泉街で使用できる地域通貨として「コスモ」を発行するなど、画期的な施策も見られた。当時はマスコミの取材が殺到して、観光客も1982年以前に比較して増加するなど温泉街も大きく賑わった。その後、サマーフェスティバルを毎年行うなど、マンネリ化への対策も考えられてきた。開国25年目にあたる2006年8月31日、「ニコニコ共和国最後の晩餐」において「日本国への統合」を以って、24年にも渡る長期プロジェクトは終了した。