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山と高原地図 - Wikipedia

山と高原地図

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

山と高原地図(やまとこうげんちず)とは、日本の地図出版企業昭文社ハイカー登山家向けに発行する、シート(1枚)物の地図の事である。また、山と高原地図に関連する書籍やサイトについても、この項にて紹介する。

目次

[編集] 概要

  1. 内容は、シート物地図1枚 解説小冊子1冊(SiMAP製版のものは、カラー冊子)と、以上2点を収めるカバー表紙(190×120mm)1冊。
  2. サイズは、B2判。(「六甲・摩耶」の様に、若干サイズの異なるものもある。)
  3. 縮尺は山域によって異なるが、概ね1:2.5万〜1:5万。(「日本アルプス総図」は、1:15万。)
  4. 価格は、840円(税込、2008年1月現在)。
  5. 解説の小冊子は、コースガイドが主で アプローチ情報は簡潔にまとめているだけのものが多い。よって、現地までの交通手段等は、他の手段を用いて情報を収集する必要がある。
  6. 破れにくい合成紙ユポ紙を使用し、更にインク脱落防止の為のニス引き加工により、耐水性,耐摩擦性をもたせている。
  7. 国土交通省国土地理院は、測量法改正(2002年4月1日施行)にともなう対応として従来の基準の経緯度座標(日本測地系)から世界測地系に統一した。これに伴い、経緯度座標の位置が従来より北西方向へ450m(東京付近の場合)移動しており、「山と高原地図」シリーズも2002年版よりこの世界測地系に対応している。
  8. 「山と高原地図」シリーズは、カバー表紙上部に年毎に異なった色の帯に、何年版かを表記している。例えば、2006年版はオレンジ色,2007年版は色(ターコイズ色に近い),2008年版はモスグリーン(苔の色に近い色)の帯である。

[編集] 山と高原地図使用に関する注意

  • 「山と高原地図」は毎年、修正新刷が年1回(2〜3月頃)に発行されている(改訂が行われた山域は、3〜5月頃)。カバー表紙にある年度を見て、最新版か確認するのが良い。
  • 山域の一部においては調査の都合上、古い状態の情報が掲載されている場合がある。また、登山道や登山施設などの山の状況は、気候条件により大きく変動する可能性がある。その為、登山の際には、事前に現地役場などに状況を確認するなどし、現地では、自己の責任で慎重に判断し行動する事が求められる。
  • 民間の山岳地図は、毎年修正による情報の新鮮度の高さ、携帯性、一覧性の高さ、登山施設情報の豊富さ、所要タイムの表示、登山道表示の見やすさにおいては優れている。ただし、携帯性を高めるために軒並み縮尺が小さい(概ね1:5万)ので、該当する山域の国土交通省国土地理院発行の1:2.5万地形図も携行するのが良いとされる。
  • なお、国土地理院地形図は毎年修正されているわけではない。山岳地域では必要に応じて、概ね10〜20年間隔の不定期で行われている。古いものでは昭和50年〜60年代の修正のものが「最新版」の場合もあるので、留意されたい。地形図の修正年や購入する図名の確認は、(財)日本地図センターホームページまたは書店備え付けの「刊行地図一覧図」などで確認できる。

[編集] 山と高原地図シリーズ

2008年1月現在、以下の59点が出版されている。出版されているのは日本国内の山域版のみであり、日本国以外の国・地域の山域版は発行されていない。

1.利尻・羅臼 2.ニセコ・羊蹄山 3.大雪山 4.八甲田・岩木山 5.岩手山・八幡平 6.栗駒・早池峰 7.蔵王 8.烏海山・月山 9.朝日連峰 10.飯豊山 11.磐梯・吾妻 12.那須・塩原 13.日光 14.尾瀬 15.越後三山 16.谷川岳 17.志賀高原 18.妙高・戸隠・雨飾 19.浅間山 20.赤木・皇海・筑波 21.西上州 22.奥武蔵・秩父 23.奥多摩 24.大菩薩嶺 25.雲取山・両神山 26.金峰山・甲武信 27.高尾・陣馬 28.丹沢 29.箱根 30.伊豆 31.富士山 32.八ヶ岳 33.日本アルプス総図 34.白馬岳 35.鹿島槍・五竜岳 36.剱・立山 37.槍ヶ岳・穂高岳 38.乗鞍高原 39.御嶽山 40.木曽駒・空木岳 41.北岳・甲斐駒 42.塩見・赤石・聖岳 43.白山 44.御在所・霊仙・伊吹 45.比良山系 46.京都北山 47.北摂・京都西山 48.六甲・摩耶 49.金剛・葛城 50.大峰山脈 51.大台ケ原 52.氷ノ山 53.大山・蒜山高原 54.石鎚・四国剣山 55.福岡の山々 56.阿蘇・九重 57.祖母・傾 58.霧島・開聞岳 59.屋久島
  • 全59点の内、非SiMAP版は、2.ニセコ・羊蹄山 21.西上州 29.箱根 30.伊豆。

[編集] 山と高原地図の改訂

  • 昭文社地図においては、1995年頃から製版のコンピュータ化が始まり、「山と高原地図」シリーズにおいても、1998年頃からコンピュータ化が始まった。そして、1999年頃より、昭文社では、自社独自の地図情報システム「SiMAP」を用いた地図製版のコンピュータ化が本格化し、2002年版より、「山と高原地図」シリーズも「SiMAP」を用いて、改訂されるようになった。
  • 2001年以前にコンピュータ改訂を受けた地図は、活字などの図法を「SiMAP」版の図法に差し替えた上、「SiMAP」のシリーズに統合されている。
  • 2003年版では、出版する地域を68から59に整理・統合した上、表紙を現行のものに変更した。

[編集] 2002年版以降の改訂

2002年版
「日光」 「妙高・戸隠・雨飾」 「木曽駒・空木山」 「白山」 「六甲・摩耶」
5点とも収録範囲を追加。
2003年版
「烏海山・月山」 「朝日連峰」 「八ヶ岳」 「日本アルプス総図」 「白馬岳」 「鹿島槍・五竜岳」 「槍ヶ岳・穂高岳」 「乗鞍高原」 「御在所・霊仙・伊吹」 「京都北山」 「北摂・京都西山」 「金剛・葛城」 「石鎚・四国剣山」
この年版は、整理統廃合が主。「烏海山・月山」 「朝日連峰」は収録範囲の追加。「白馬岳」 「鹿島槍・五竜岳」 「槍ヶ岳・穂高岳」 「乗鞍高原」は地図面の経緯度座標の追加と小冊子のカラー化等。その他は統廃合に伴う新版。
2004年版
「尾瀬」 「越後三山」 「谷川岳」 「志賀高原」 「浅間山」 「比良山系」 「大台ケ原」 「屋久島」
「尾瀬」 「谷川岳」 「志賀高原」は、地図面の経緯度座標の追加と小冊子のカラー化等。その他は、収録範囲を追加。
2005年版
「丹沢」 「大峰山脈」
2点とも収録範囲を追加。
2006年版
「御嶽山」 「氷ノ山」 「福岡の山々」
3点とも収録範囲を追加。
2007年版
「蔵王」 「飯豊山」 「谷川岳」 「富士山」 「八ヶ岳」 「塩見・赤石・聖岳」
「谷川岳」 「富士山」 「八ヶ岳」 「塩見・赤石・聖岳」は全面調査の実施。「蔵王」 「飯豊山」は地図面の経緯度座標の追加と小冊子のカラー化。
2008年版
「栗駒・早池峰」「磐梯・吾妻」「那須・塩原」「赤城・皇海・筑波」「高尾・陣馬」
「那須・塩原」は、全面調査の実施。「栗駒・早池峰」「磐梯・吾妻」「高尾・陣馬」は、地図面の経緯度座標の追加と小冊子のカラー化。「赤城・皇海・筑波」は、全面調査と地図面の経緯度座標の追加と小冊子のカラー化を実施。

[編集] その他の内容

  • 2002年版より全点の本紙注意書きに、入山前に必ず登山計画書を提出するようにとの記述が追加。
  • 2007年版より全点の本紙注意書きに、「山におけるし尿問題について」の記述を追加。
  • 2008年版は、カバー裏表紙に昭文社が公式サイト上にて主催した山岳写真コンテストの大賞作品を掲載し、同コンテストの受賞作品などを掲載したカラー冊子を全点に付録。カバー裏表紙に2007年版まで掲載されていた隣接図検索用の地図は、カバー表紙内側に移動した。

[編集] 関連コンテンツ

[編集] 公式サイト

山と高原地図web

昭文社の山と高原地図シリーズの公式サイト(外部リンクを参照)。山岳最新情報(RSS対応)、コラム、写真集、山岳用語辞典のほか、フォトコンテストの開催したりしている。

[編集] 山と高原地図関連の書籍

「日本百名山を登る<上・下巻>」 カード版 (山と高原地図PULS)

持ち運びしやすいカードタイプの登山コースガイド。上下巻とも税込定価1575円。

「日本百名山を登る<上・下巻>」  (山と高原地図PULS)

冊子タイプの製本で、A5判。上下巻とも税込定価1470円。
深田久弥が著した「日本百名山」を紹介。上巻では、東日本(北海道から東北・関東・中部地方)の山を収録。下巻では、西日本(中部から近畿・中国・四国・九州地方)の山を収録する。また、深田久弥がその著書の文中や後記で「百名山の候補リストの山だった」と語っている山々もいくつか選んで、上下巻それぞれで紹介している。

「日本200名山を登る<上・下巻>」  (山と高原地図PULS)

冊子タイプの製本で、A5判。上下巻とも税込定価1365円。
深田クラブが著した「日本200名山」の中から、深田久弥の「日本百名山」を除く100山を紹介。上巻では、東日本(北海道から東北・関東・中部地方)の山を収録。下巻では、西日本(中部から近畿・中国・四国・九州地方)の山を収録している。

関東山あるき100選 (山と高原地図PULS)

冊子タイプの製本で、A5判。税込定価1785円。関東と山梨・静岡東部・一部長野の山を100コース紹介している。

関西山あるき100選 (山と高原地図PULS)

冊子タイプの製本で、A5判。税込定価1785円。中部・近畿・中国・四国地方の山を100コース紹介している。

なるほど知図帳 日本の山

冊子タイプの製本で、A4判。税込定価1680円。いろいろなテーマで日本の名山を雑学などを交えて紹介している。なるほど知図帳シリーズの一つ。

[編集] 外部リンク


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