寒秋
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寒秋(かんしゅう)とは、平年(1971~2000年の平均)に比べて気温の低い秋のことである。気象庁による3階級表現で毎年9~11月の平均気温が「低い」に該当した場合の秋をいう(階級表現に関しては#外部リンクも参照のこと)。
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[編集] 過去(戦後)の主な寒秋(日本)
- この年は年間を通して低温で、秋は10月及び11月の低温が顕著だった。
- 1949年(昭和24年)
- 1951年(昭和26年)
- 1953年(昭和28年)
- 1957年(昭和32年)
- 1963年(昭和38年)
- 1968年(昭和43年)
- 1971年(昭和46年)
- 1973年(昭和48年)
- 1974年(昭和49年)
- 1976年(昭和51年)
- 戦後最大の寒秋であり、全国的に平年より1℃以上低い秋となった。9月の低温が顕著で冷たい早秋となり、11月も顕著な低温で早い冬の訪れにもなった。
- 1981年(昭和56年)
- 1976年に次いで戦後2番目に寒い秋であり、南西諸島を除き平年より1℃以上低い秋であった。特に11月の低温が記録的で早い冬の訪れとなった。
- 1983年(昭和58年)
- 観測史上有数の寒冬年として知られている1983年-1984年だがこの年は既に11月から記録的低温と早い冬の訪れが始まっていて、特に北日本ほど低温が顕著であった。この傾向は冬へと続き、さらに翌年5月まで7ヶ月以上に亘り有史の大寒波に見舞われた。
- 1986年(昭和61年)
- 10月から11月の気温が低く冬の訪れが早かった。東日本、西日本では顕著な少雨となった。
- 1988年(昭和63年)
- 2002年(平成14年)
- 平成としては唯一の寒秋であり、特に11月の低温が顕著だった。11月上旬には京都市・埼玉県熊谷市など東日本、西日本の都市でも早く初雪を観測したほか、北日本では11月としては記録的な大雪に見舞われたところもあった。ただし、10月中旬までは気温は平年並か高く推移したため、秋(9~11月)の平均気温の平年差は小さかった。
[編集] 寒秋の発生傾向
日本では寒秋は戦後以降、昭和にはたびたび発生していたが、平成になるとほとんど発生しなくなってしまう。この傾向は他の季節以上に顕著である(他の季節については平成以降でも寒冬は1995-1996年、2005-2006年、寒春は1993年、1996年、2005年、冷夏は1989年、1992年、1993年、2003年など、昭和に比べて少なくなってきているとはいえ、寒秋に比べれば低温がしばしば発生しているといえる)。原因は地球温暖化、気候変動、都市化など、複数の要素が挙げられるが、はっきりとした原因は不明である。また、エルニーニョが発生する年は日本では比較的寒秋になりやすい傾向がある。