完全トーティエント数
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完全トーティエント数(かんぜん-すう、英:perfect totient number)は自然数で、以下の等式を満たす数nである。
ここでφはオイラーのトーティエント関数である。例えば327は φ(327) = 216, φ(216) = 72, φ(72) = 24, φ(24) = 8, φ(8) = 4, φ(4) = 2, φ(2) = 1 というように次々とφ関数の値を計算し、それらの総和が 216 + 72 + 24 + 8 + 4 + 2 + 1 = 327 と元の数に等しくなるので完全トーティエント数である。一般に完全トーティエント数nは以下の式を満たす。
完全トーティエント数は無数にあり、そのうち最小の数は3である。完全トーティエント数を小さい順に列記すると
[編集] 性質
ほとんどの完全トーティエント数は3の倍数であり、3の倍数でない完全トーティエント数のうち最小の数は4375である。特に3の累乗数(3,9,27,81,243,729,2187,…)は全て完全トーティエント数である。これは3の累乗数 3k が
を満たすことから証明できる。
Venkataramanは1975年に素数pが p=4×3k+1 の形で表わされるとき、3pが完全トーティエント数になることを発見した。より一般的に p≡1(mod 4) を満たす素数pを3倍した数3pは完全トーティエント数になる(Mohan,Suryanarayana 1982)。ただしこの形をした3pの全てが完全トーティエント数になるわけではない。例えばp=17の場合 p≡1(mod 4) を満たし、3p=51 となるが51は完全トーティエント数ではない。