宇喜多直家

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宇喜多直家

凡例

時代

戦国時代

生誕

享禄2年（1529年）

死没

天正10年1月9日（1582年 2月1日）

別名

謀聖（仇名）

戒名

涼雲星友

墓所

平福院（廃寺）、光珍寺

官位

三郎右衛門尉、和泉守

氏族

宇喜多氏

父母

父：宇喜多興家、母：不詳

兄弟

直家、忠家、春家、姉（谷川久隆室）
妹（伊賀久隆室）、妹（穝所元常室）

妻

正室：中山信正の娘
継室：鷹取氏の娘・円融院（三浦氏の娘とも）

子

秀家、娘（江原親次室）、娘（浦上宗辰室）
娘（松田元賢室）、娘（吉川広家室）
娘（後藤勝基室）、娘（斎村政広室）
娘（明石全登室）、娘（豊臣秀吉の養女）

宇喜多直家（うきたなおいえ）は、戦国時代の武将・大名。通称三郎右衛門尉、のち和泉守。宇喜多秀家の父。父は興家、祖父は能家という。室は中山備中守の娘、後に鷹取氏あるいは三浦氏の娘とされる円融院。

[編集] 経歴

享禄2年（1529年）、宇喜多興家の子として生まれる（「浦上宇喜多両家記」）。一説に備前国邑久郡豊原荘（現・岡山県瀬戸内市邑久町豊原）にあった砥石城で生まれたとされるが、史料の裏付けはない。

天文3年（1534年）、祖父・能家が島村盛実らによって暗殺されたとき、わずか6歳だった直家は父・興家と共に放浪の人生を送ったという。成人すると天神山城主浦上宗景に仕え、浦上家臣団の中で頭角を現す（「備前軍記」）。

直家は策謀に長けており、祖父の復讐を果たすために島村盛実を暗殺したのを初め、舅である中山備中守や龍口城主穝所元常を殺害し、浦上氏の勢力拡大に中心的な役割を果たした（「備前軍記」）。

永禄9年（1566年）2月には美作へ進出した備中の三村家親を、顔見知りの阿波細川氏の浪人遠藤兄弟（又次郎、喜三郎）を起用して鉄炮で暗殺、翌年7月の明善寺合戦によりそれまで備前国西部に進出していた備中勢の駆逐にほぼ成功する。その後も、姻戚関係にあった金川城主松田元輝、元賢親子、さらに岡山城主金光宗高などを没落させ、その所領を自己の知行とするなど勢力を拡大し、浦上家で随一の実力者となった（「備前軍記」）。

その後、天正2年（1574年）に浦上宗景と対立にあたっては安芸の毛利氏と結び対抗、天正3年（1575年）の毛利家による三村氏攻撃に加勢した。さらに浦上宗景の兄・政宗の孫・久松丸を擁立し、同年8月、宗景を播磨へ退け、備前のみならず備中の一部・美作の一部にまで支配域を拡大した。

しかし織田信長の命を受けた羽柴秀吉が中国方面に進出してくると、これに対抗、天正7年（1579年）5月には信長に内応したとして東美作の後藤勝基などを滅ぼしたものの、10月、直家自身も毛利家と手を切って信長に臣従する。以降美作・備前各地を転戦して毛利氏と合戦を繰り返すが、天正9年の末頃に岡山城で病死。その死はしばらく隠されたといい（蜂須賀文書写、「両家記」）、翌10年（1582年）1月9日が公式な忌日とされている。法名は涼雲星友。

[編集] 直家の評価

古くは近世初頭の著述家小瀬甫庵が自身の著作「太閤記」で、斎藤道三や松永久秀に並ぶ悪人としており、また出雲の尼子経久・安芸の毛利元就と共に中国地方の三大謀将と言われる。他方、戦前には皇室御料の備前鳥取庄を回復したことから勤皇家の側面も評価されたこともある。最近では、歴史書の「和気絹」でも記されているとおり、金光宗高をはじめ松田元賢、後藤勝基など手に余る者には、自分の娘や姉妹、或いは親類の娘を養女として、縁組を成立させて親類の体を表し、時節を見はからった上で毒殺したり、闇討ちして寝首をかく（暗殺・謀殺）行いが多いと伝えられるところからあまり人気が無いが、少数ながら熱烈なファンも存在する。