媾疫
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媾疫(こうえき、dourine)とはTripanosoma equiperdum感染を原因とする馬の感染症。ラバやロバにも感染するが通常は無症状。ベクターを必要としない唯一の病原性トリパノソーマ。
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[編集] 原因
Tripanosoma equiperdamは通常血中に出現することなく、組織内寄生している。寄生部位は生殖器粘膜であり、交尾により伝播する。
[編集] 症状
生殖器粘膜の腫脹、浮腫、黄色の浸出液の分泌。症状が進むと粘膜面に潰瘍を形成。末期に神経症状。致死率は50~70%。
[編集] 診断
有効な診断方法が開発されておらず、臨床所見より診断される。
[編集] 治療・予防
有効な治療法はない。予防は衛生管理の徹底および感染馬の淘汰。
[編集] 関連項目
- ナガナ病
[編集] 参考文献
- 石井敏雄 『獣医寄生虫学・寄生虫病学(1)総論/原虫』 講談社サイティフィク 1998年 ISBN 4061537156
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104