大竹寛
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大竹寛 広島東洋カープ No.17 |
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基本情報 | |
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国籍 | 日本 |
出身地 | 埼玉県八潮市 |
生年月日 | 1983年5月21日(25歳) |
身長 体重 |
182cm 80kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
守備位置 | 投手 |
プロ入り | 2001年 1巡目 |
初出場 | 2003年9月26日 |
年俸 | 5100万円(推定) |
経歴 | |
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大竹 寛(おおたけ かん、1983年5月21日 - )は、埼玉県八潮市出身の広島東洋カープ所属のプロ野球選手(投手)。
目次 |
[編集] 来歴・人物
浦和学院高では2年夏の甲子園で2回戦で敗退したが登板機会はなかった。当時は1学年上の坂元弥太郎がエースだったためである。その先輩が引退してエースとしてセンバツ出場を懸けて望んだ関東大会では初戦の水戸商業戦で立ち上がりに制球を乱し塁上を賑わせた後で4番打者に長打を浴びて奪われた点が痛手となって惜敗した。翌年の春季大会では県大会で東京農大三高の好投手鯨井との投げ合いの末惜敗。勝ち運に恵まれない投手を感じさせた。最後の夏として望んだ3年夏の埼玉県大会では春日部共栄に9回表2死まで3-1とリードしていたが、味方のエラーで逆転され甲子園出場ならず県大会ベスト8、日本代表としてアジアAAA選手権に出場した。スカウトからの評価は牽制などの投手守備にも非凡なものを感じる本格派投手として高い評価を得た。2001年ドラフト1巡目指名で広島東洋カープに入団。
あわや完全試合という試合や、完投・完封という試合を作ったと思えば、次の登板では立ち上がりから捕まりKOという、若い頃の黒田博樹の様に好不調の波が激しいのが欠点。手がつけられない投球をする日もあれば、四球の連発で自滅する日もある。
投手コーチ、評論家からは「近年の投手の中では極めて美しい投球フォームをしている」と絶賛され、ストレートにも球速がある。しかし制球力は良いとは言えず、奪三振もそこそこ多いが四球も多い。2005年から投球イニングが毎年少なくなっている等、未だ課題は山積である。
[編集] プロ入り後
即戦力と期待された1年目の2002年は故障により一軍登板はなかったが、2003年に一軍初登板、初勝利を記録した。
開幕直後は先発ローテーションの一角として5試合に先発し、その後は中継ぎに回った。永川勝浩の不調により、シーズン途中からクローザーに指名された。43試合に登板して防御率3.18、17セーブを挙げる好成績を残した。
先発ローテーションに定着し、リーグ最多の先発登板28回を記録、防御率5点台ながら自身初となる2ケタ勝利を上げた。しかし与四球、ボーク、暴投、失点、自責点のワースト5冠となってしまい、失点が100を超えた投手が出たのはリーグ13年ぶりの出来事だった。
開幕6連敗と波に乗れず、リーグワーストの13敗を喫してしまった。ストライク先行の投球を目指し、四死球を減らす事が出来た一方で、球威が落ちた印象があり、打者を威圧・圧倒する力が無くなったためか、良い意味での荒々しさが消えただけと言われてしまった。ストライク先行の投球もあまり出来なかった。
- 9月5日の横浜戦(長崎)では、安定した投球を続け、8回2死まで1人のランナーも出さなかったが、内川聖一にレフト前ヒットを打たれ、あとアウト4つのところで惜しくも完全試合を逃した。さらに、9回2死から石井琢朗にソロホームランを浴び、プロ初完封も逃してしまったが、この試合では自身2年ぶりとなる完投勝利を収めた。
ワインドアップのフォームに戻し、新たにシュートを習得した。開幕前に「勝てる投手への脱皮」を宣言し、公約通り春先は非常に安定した投球を見せた。5月には5連敗を喫し、夏場には早期KOの試合も多かったが、9月になると復調し、10勝にはあと一歩届かなかったものの防御率を3点台まで良化させてシーズンを終えた。昨年リーグワーストだった被本塁打数を25から15に激減させた。まだ投球に波があり、ボール先行になる投球はあるものの、先発転向後ではもっとも安定したシーズンとなった。
ロサンゼルス・ドジャースに移籍した黒田に代わるエース候補となる。3月28日シーズン開幕戦ではプロ7年目で初の開幕投手を任され、8回を4安打1失点と好投したが、リリーフ投手が打たれ、引き分けに終わった。開幕当初は、広島ファンを含むプロ野球ファンから「新エース」という認識をされていたが、昨年の青木高広と同じ様に勝ち星が伸びず、さらにコルビー・ルイスが勝ち頭になった事もあり、交流戦開幕時にはルイスが新エースという認識をされるようになってしまった。
[編集] 所属球団
[編集] 背番号
- 17(2002年 - )
[編集] エピソード
- おもに四球を出した後に腕を回す癖がある。「腕の振りに気をつけよう」という仕草であろうが、相手打者もこの仕草が出た時は調子が良くないというサインなので、OBなどからしばしば指摘を受ける事がある。
- 2007年では、3回までに本塁打を打たれなければ絶対に勝つというデータが出ている。この事から、大竹にとっていかに立ち上がりが大事かという事と、序盤の失点を終盤に引きずるメンタル面での課題がうかがえる。しかし2008年は例外であり、4月4日広島市民球場対横浜一回戦での先発時は、7回まで本塁打どころか失点すらしなかったが、8回味方のミスが絡み敗戦。
[編集] 経歴
[編集] 年度別投手成績
年度 | チーム | 背 番 号 |
登 板 |
完 投 |
交 代 完 了 |
先 発 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
年 俸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2002年 | 広島 | 17 | 一軍登板なし | ||||||||||||||||||||||
2003年 | 3 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | .500 | 36 | 8.0 | 9 | 2 | 3 | 0 | 5 | 0 | 0 | 6 | 5 | 5.63 | 600万円 | ||
2004年 | 43 | 1 | 28 | 5 | 0 | 0 | 6 | 5 | 17 | .545 | 351 | 82.0 | 68 | 11 | 40 | 4 | 91 | 2 | 0 | 33 | 29 | 3.18 | 650万円 | ||
2005年 | 28 | 0 | 0 | 28 | 0 | 0 | 10 | 12 | 0 | .455 | 734 | 161.2 | 171 | 22 | 87 | 7 | 161 | 9 | 4 | 110 | 101 | 5.62 | 2100万円 | ||
2006年 | 30 | 2 | 0 | 27 | 0 | 1 | 6 | 13 | 0 | .316 | 682 | 157.0 | 172 | 25 | 54 | 2 | 110 | 4 | 0 | 92 | 86 | 4.93 | 3400万円 | ||
2007年 | 27 | 3 | 3 | 21 | 1 | 0 | 9 | 10 | 0 | .474 | 623 | 145.2 | 137 | 15 | 59 | 6 | 104 | 11 | 0 | 72 | 61 | 3.77 | 3400万円 | ||
通算成績 | 131 | 6 | 32 | 83 | 1 | 1 | 32 | 41 | 17 | .457 | 2426 | 554.1 | 557 | 75 | 243 | 19 | 471 | 26 | 4 | 313 | 282 | 4.58 |
[編集] 関連項目
監督 |
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71マーティ・レオ・ブラウン |
コーチ |
75ジェフ・リブジー(ベンチ)|72内田順三(打撃統括)|88小早川毅彦(打撃)|73小林幹英(投手)|87澤崎俊和(ブルペン)|77高信二(内野守備走塁)|85永田利則(外野守備走塁)|84植田幸弘(バッテリー)|89水本勝己(ブルペン補佐) |
二軍監督・コーチ |
76山崎立翔(監督)|82浅井樹(打撃)|80山内泰幸(投手)|74岡義朗(内野守備走塁)|83朝山東洋(外野守備走塁兼打撃補佐)|78熊沢秀浩(バッテリー) |
三軍コーチ |
81道原裕幸(バッテリー)|86阿部慶二(野手) |
投手 |
11ルイス|13佐竹健太|14篠田純平|16宮崎充登|17大竹寛|18前田健太|19上野弘文|20永川勝浩|21齊藤悠葵|22高橋建|23横山竜士|24河内貴哉|28広池浩司|29佐藤剛士|30森跳二|34コズロースキー|36青木勇人|39梅津智弘|42長谷川昌幸|46大島崇行|47青木高広|48岸本秀樹|53林昌樹|58小島心二郎|62今井啓介|65相澤寿聡|67丸木唯|68金城宰之左|69中村憲|70シュルツ|93マルテ|122山中達也(育成選手)| |
捕手 |
27上村和裕|31石原慶幸|32白濱裕太|40倉義和|61山本翔|64会沢翼 |
内野手 |
00山崎浩司|2東出輝裕|4尾形佳紀|5栗原健太|6梵英心|10比嘉寿光|12小窪哲也|25シーボル|44喜田剛|45松本高明|52大須賀允|56中谷翼|57甲斐雅人|59山本芳彦|60安部友裕|66木村昇吾 |
外野手 |
0井生崇光|1前田智徳|9緒方孝市(野手コーチ兼任)|26廣瀬純|33鞘師智也|35中東直己|37松山竜平|38赤松真人|41森笠繁|43アレックス|49天谷宗一郎|50鈴木将光|51末永真史|54吉田圭|55嶋重宣|63丸佳浩|121山内敬太(育成選手) |
広島東洋カープ 2001年ドラフト指名選手 |
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1巡目:大竹寛 / 3巡目:大島崇行 / 4巡目:石原慶幸 / 5巡目:山本翔 / 6巡目:国木剛太 / 7巡目:山本芳彦 8巡目:筒井正也 / 9巡目:天谷宗一郎 / 10巡目:天野浩一 |