大博劇場
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大博劇場(だいはくげきじょう)は、福岡県福岡市博多区上呉服町にあった劇場。映画館。
1920年12月12日開場。こけら落としは中村扇雀(のちの二代目鴈治郎)公演。1922年12月24日には来福したアルベルト・アインシュタインの講演会場にもなった。九州最大の劇場と言われ、戦後は九州随一の劇場となり、歌舞伎・宝塚歌劇・商業演劇の興行が行われた。1953年松尾國三が経営に乗りだし、桃山風の建物に改築。その外観から「九州の歌舞伎座」と呼ばれたが、立地条件の問題やテレビ時代を迎えたこともあり演劇興行が衰退したためか、1960年代半ばには映画館に転向。
最晩年は東映系の下番線館となり、成人映画(いわゆるピンク映画ではなく、東映プログラムピクチャーの一環として量産された一連の性的主題の喜劇作品)とヤクザ映画を組み合わせた番組編成で営業していたが、1972年3月20日をもって営業を取りやめ、翌月取り壊された。
作家の五木寛之は郷里を代表する劇場として紹介していたが、一説では木造で老朽化が著しく冷暖房の設備すら無かったとの事であった。
跡地は長らく駐車場になった後、現在はマンションが立地している。
[編集] エピソード
大正11年12月24日、来日したアルベルト・アインシュタイン博士の講演会場として使用された。