地方港湾
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地方港湾(ちほうこうわん)は、日本における港湾の一区分。港湾法第2条第2項において「重要港湾以外の港湾」が地方港湾と定義されており、2007年4月現在936港が存在している。昭和25年(1950年)の港湾法制定時に重要港湾の制度が新設された。
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[編集] 概要
重要港湾が国際・国内海上輸送網の拠点として位置づけられているのに対し、地方港湾は当該地域の海上交通拠点としての性格が強い。港湾整備の面から見ると、地方港湾は重要港湾よりも優先度が低いため、整備費用に係る国庫補助金は重要港湾のそれと比べて、低率に設定されている。
地方港湾が備えるべき港湾施設等は必ずしも法令等で明示されていないが、例えば係留施設を見ると岸壁(-4.5m超の係留施設)ではなく物揚場(-4.5m未満の係留施設)が主流となっている。
[編集] 課題
地方港湾の中には、フェリー・定期貨物便の寄港地として、地域の海上交通拠点として機能している港湾もあるが、旅客船・貨物船がほとんど入港することなく、漁船の利用が中心となっている港湾も少なくない。このように、海上交通拠点として幅広い用途を持つ港湾としてというよりも、実質的に漁港として利用される傾向が強いという課題を地方港湾は抱えている。この背景には、漁港よりも港湾の方が、国庫補助金による整備がしやすいという事情があるとの指摘もある。
[編集] 統合への動き
そうした中、大分県は2006年、東国東郡の町村が合併して国東市として発足したことを契機に、東国東郡内の地方港湾8港を国東港1港に統合した。これが初の地方港湾統合の事例であり、地方港湾の統合を国土交通省が推進していることもあり、今後、地方港湾の統合が加速していくものと考えられている。