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品質管理 - Wikipedia

品質管理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

品質管理ひんしつかんりQC; Quality Control)は、顧客に提供する商品およびサービスの質を向上するための、企業の一連の活動体系。JIS Z 8101 では「買手の要求に合った品質の品物又はサービスを経済的に作り出すための手段の体系。」と定義されている。

目次

[編集] 概要

品質管理は、ウォルター・シューハートWalter A. Shewhart)、エドワーズ・デミングW. Edwards Deming)、石川馨(東大、武蔵工業大学元学長)らにより戦後の時代とともに構築された。不良品ゼロを目指すための品質管理活動として、1960年代頃から日本の製造業の現場に広く普及している。日本製品の品質が大きく向上したことに貢献したとされる。日本ではQCサークル活動と相まって、カイゼンとも密接に関わる。製造部門にとどまらず、サービス部門や管理部門など全社的にQC活動を広げた活動を、TQC(Total Quality Control)と呼ぶ。このTQCが発展したものがTQM(Total Quality Management)である。1990年代アメリカで広く普及し、アメリカの製造業の復活に大きく貢献したとされる。

品質管理の定義

発注者(注文者)の要求する品質や製品を、合理的かつ経済的に生み出す為の手段や手法の検討。

[編集] QC手法

後述のQC七つ道具、新QC七つ道具が代表的である。

他にも、製造段階、開発設計段階、商品企画段階での質向上のための方法がある。

[編集] QC七つ道具

管理を行うにあたり、現象を数値的、定量的に分析するための技法。いずれも、視覚的に表すことで誰でもすぐに問題点がわかったり、説明を容易にすることを狙っている。

1.ヒストグラム
データの傾向を判断できるようにする為のツール。データの集合に対して平均値、分布を読み取るためのツール。ヒストグラムはバラツキが顕在するあるデータの集合において、全体の傾向を把握するために用いられる。度数を元にヒストグラムを作成することによって、データの集合全体の平均値、データのバラツキを把握することが可能である。品質管理においてヒストグラムの分布を読み取り、その結果に基づき次の行動に移すことが重要とされている。ヒストグラムの山の形状から工程の安定性、山の広がり具合からバラツキ(σ)、規格値を記述することで規格外れ等の問題点が存在するかの判断できる。
2.管理図
工程の管理を行うためのツール。管理図は工程が安定状態にあるかどうかを把握するための判断材料となる。時間別などの規則に従ってデータのサンプリングを行って集計を行い、その集計結果を群として系列で折れ線グラフを作成するものである。管理図では中心線(CL)と管理限界によって、点の配置と分布からその管理工程の異常が判断できる。管理限界は3シグマ法を用いて求められた上限限界(UCL)と下限限界(LCL)が用いられる。
3.チェックシート
確認要点事項を予め抜粋しまとめられたツール。チェックシートは、必要とするデータが何かが瞬時に理解できること、集めたデータを簡単に整理することが目的であり、チェックシートを作成する際はその点に注意して作成しなくてはならない。
4.パレート図
工程改善に用いられるツール。工程で発生している問題について原因別、損失金額別等に分類し、その件数の大きい順に並べて棒グラフおよび累計曲線を図に表したもの。パレート図は工程の改善活動の検討の場において、改善効果が期待できる問題の抽出を行う為に用いられ、工程が持っている問題を分類して図示する事で、まっ先に改善しなければならない問題の把握が容易になる。
5.特性要因図(cause and effect diagram)
問題抽出に用いられるツール。ある問題に対して関連する原因の洗い出しを行うため、問題(特性)対してその発生の原因(要因)だと考えられる事項とを矢印で結んで図示したもの。その図の形状が魚の骨の形に似ていることから別名魚の骨図(fishbone diagram)とも呼ばれる。特性要因図は、工程の更なる能力の向上を検討する場において有効な手法であり、ブレインストーミングの要領で要因を抽出して洗い出した要因の関連性を特性要因図に表し、アプローチを行う要因の順位付けを行う為の資料とする。生産工程の現場では、ある問題に対する要因として4M(人、機械、材料、方法)を大骨とし、その4つの大骨に対して更なる要因の洗い出しが行われる。5M測定器.測定方法(MESUREMENT)もある。
  • 特性要因図の目的別の使い分け
要因を列挙するには、当初から単にブレインストーミングで列挙しても無意味である。過去の知識や現場データから推測される要因だけでは解決しない場合に、初めてブレーンストーミング等の手法を用いる。
  1. 管理用特性要因図(管理すべき要因の列挙目的):予防目的で管理を必要とする要因を全て列挙したもの。実績前だから現場データがなく、専ら知識・経験・理論から心配事を網羅的にトップ・ダウンに列挙する。対策は全ての要因に講じる。
  2. 解析用特性要因図(原因の探索目的):現に発生したトラブルの現場データ(特徴)を収集し、データから推定した要因を列挙して対策を講じる。この場合、原因を明確にしてから対策を講じる場合と、疑わしいものに逐次対策を講じてゆく場合がある。
  3. 参考外部リンク:客観説TQM[1]


6.散布図
7.層別
データを要因ごとに分けて取得する事。データを取得する上で必要な思考の一つであり、層別にデータを取得することで、正確に情報が把握でき、問題の原因判別に繋がる有効な手段である。

[編集] 新QC七つ道具

QC七つ道具が定量的な現象分析を狙うのに対し、新QC七つ道具は定性的な分析を狙う。

問題の構造を早期に明らかにすることが狙いである。

  1. 連関図法
  2. 親和図法(KJ法の別名)
  3. 系統図法
  4. アローダイアグラム法
  5. マトリックス図法
  6. マトリックスデータ解析法
  7. PDPC法

[編集] 関連項目


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