刻命館
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ジャンル | シミュレーション |
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対応機種 | プレイステーション |
開発元 | テクモ |
発売元 | テクモ |
人数 | 1人 |
メディア | CD-ROM |
発売日 | 1996年7月26日 |
価格 | 5,800円(税抜) PlayStation the Best版2,800円(税抜) PSone Books版2,200円(税抜) |
『刻命館』(こくめいかん)は1996年7月26日、テクモ株式会社から発売されたプレイステーション用シミュレーションゲームである。続編として、本作品のゲームシステム(トラップを仕掛けるというシステム)のみを継承発展させた『影牢 〜刻命館 真章〜』、『蒼魔灯』、『影牢II -Dark illusion-』があり、これらの作品を「刻命館シリーズ」や「トラップシリーズ」と呼ぶ事がある。
目次 |
[編集] 概要
本作は「刻命館」という館の中で、「人間狩り」と称して侵入者達を「捕獲」または「殺害」していく。主人公自身は攻撃手段を持たず、あらかじめ部屋にトラップを仕掛け、それに侵入者たちをおびき寄せて倒すという独自のゲームシステムを持つ。本作品にはマルチエンディングが採用されており、選択肢や行動によってエンディングが変化する仕組みになっている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] ストーリー
主人公はゼメキア王国の第一王子。 婚礼の儀を執り行うため、婚約者である隣国エンゼリオ帝国の王女フィアナを自国へ連れ帰り、謁見の間で父である国王ゼメリスに帰還の報告を行う最中、主人公の目の前で国王が何者かによって暗殺されてしまう。主人公は父殺しの濡れ衣を着せられ、実弟である第二王子ユリアスの命令により火刑に処されることとなってしまう。主人公は火刑台の上で炎に包まれながら、天に向かって最期の呪いの言葉を叫んだ。
「神よ!いや、悪魔でもいい、誰か私に力を!私を陥れた者たちに復讐する力を!」
その刹那、雷が轟き、火刑台に稲妻が直撃。主人公の姿は跡形も無く消え去っていた。
気づくと、主人公は暗い森の中にいた。「刻命館へ向かいなさい」という悪魔(アスタルテ)のささやきを聞き、刻命館へと向かう。そこで現在の館の主(アルデバラン)を殺害し、自らが館の主となる。刻命館には「魔神」が封印されており、魔神を復活させた者の望みは、どのようなものであれ叶えられるという。魔神を復活させるには「人間の魂」が必要であり、主人公は「復讐」の為、魔神の復活をめざし人間狩りを開始する…。
[編集] 主要キャラクター
- 主人公(デフォルト名は無し、ゲーム開始時にユーザーが設定)
- ゼメキア王国の第一王子。結婚を機に父から王位を譲り受ける予定であったが、ユリアスとザムールの策略により父殺しの濡れ衣を着せられ処刑される。しかし謎の力で刻命館へ飛ばされ、以後刻命館の主となり人間狩りを行う。主人公の性格付けは完全にユーザー次第。人間らしさを失わない心優しい悲劇の主人公として通すのもよし、悪魔と結託して復讐心に燃えてもよし、どのようなタイプの主人公として行動するかは全てユーザーに任されている。
- アスタルテ
- 自らを「魔神の使い魔」と名乗る女性。刻命館の新しい主となった主人公に「人間狩り」の手ほどきをする。封印された魔神が、代わり身として、動けない自身の代わりに創り出した存在。500年前のリーダーによると、通常の方法で使い魔を亡き者にすることは不可能であり特殊な方法でなければ倒すことはできない。
- ほとんど出番は無いものの、使い魔見習いのイヴという魔物の存在も確認されている。彼らの過去や魔神とのつながりについては謎につつまれている。
- フィアナ
- エンゼリオ帝国の王女。主人公である第一王子の婚約者であり主人公を慕っていたが、主人公の処刑後は第二王子ユリアスに結婚を強要され幽閉される。その後、主人公が刻命館にいるという噂を聞きつけ、危険を承知で刻命館へとやってくる。主人公の行動により、最後まで生存する場合もあれば、途中で死亡してしまう場合もある。死亡した場合、彼女の遺体をモンスターの材料とするか否かの選択が発生するが、実はこの選択はエンディングに影響せず、影響するのは彼女の生死のみである。
- ユリアス
- ゼメキア王国の第二王子で主人公の実弟。もともとは兄弟仲が良かったが、ザムールと共に主人公を罠に嵌め処刑後、自らが国王となり圧政を敷く。フィアナに好意を抱いており、結婚を強要するも拒絶される。実はザムールに騙されており、死の間際にそのことに気付き、魔神を復活させないように主人公を説得し絶命する。
- ザムール
- ゼメキア王国の大魔導士。代々のゼメキア国王の信頼も厚い大魔導士だが、王子二人を陥れ、自分の野望を達成するために魔神の力を利用しようとしている。実はアスタルテによって利用し操られているのだが、本人はそれを知らず、逆に自分がアスタルテを創り出したと思い込んでいる。
- 過去のリーダー(主人公と同名)
- 500年前に「勇者の剣」によって魔神を刻命館に封印した勇者達のリーダーで、主人公と同名の遠い先祖でもある。主人公の行動により敵にも味方にもなる。
[編集] システム
後の作品に受け継がれていない独自のシステムが多いのが特徴。トラップは捕獲、ダメージ、混乱の3つに分類され、それぞれ特有の効果がある。捕獲はその名の通り、侵入者を捕獲する際に利用する。捕獲の際は持続時間と脱出ゲージが表示され、時間内にゲージをなくすことができれば晴れて成功となる。ただし、現在HPの高い侵入者ほどゲージが長く捕獲しづらくなる。そんな時に活用するのがダメージトラップ。侵入者に直接ダメージを与えることでHPを減らし捕獲率を高めるほか、そのまま殺害してしまうこともできる(捕獲は失敗となる)。混乱は、侵入者をあの手この手で弱らせることでトラップの成功率を高めるために利用する。ダメージを与えたり捕獲したりすることはできない。
トラップ利用の際はMPを消費する。MPは人間を捕獲し魂を魔神に捧げることで回復できるほか、アイテムによる回復も可。ダメージトラップで殺害、もしくは捕獲し殺害を選んだ場合はMPの代わりにWarlが得られる。仕掛ける際にはテリトリーが表示され、トラップ同士が極端に隣接して仕掛けられないようになっている。このテリトリーは強力なトラップになるほど広くなり、その分仕掛けられる総数も少なくなってしまう。
[編集] レベル
主人公にレベルが存在し、防御力や回復力、熟練度が上昇するほか、新たにトラップやモンスターを操れるようになる。回復力以外の各種ステータスはアイテムによるドーピングも可能だが、いずれも非売品のため入手は困難。なお、回復力はベッドルームで休んだ時の回復スピード、熟練度は各種トラップの成功率に関わっている。
[編集] アイテム
薬草や毒消しなどのアイテムを商人から購入することができる。その他、売却用の換金アイテムやモンスター召還に必要なアイテム、売買ができない重要アイテムもある。商人は本編中に登場する者のほか、人間狩りで呼び出しても可。
[編集] 館の増改築
新たに部屋や廊下を増築することができる。ただし、基本構造は変更できない。何のメリットもないが、趣味を反映させた自分だけの館に作り変えるのも悪くはない。増築の際はWarlが必要となるが、撤去の際は何も必要ない。ある魔導器を入手することで、増築できる部屋の種類が増える。
[編集] 仮面
ゲーム序盤で手に入れることのできる5つの仮面。それぞれ異なった声を発し、侵入者を遠ざけたり、逆におびき寄せたりすることができる。使用の際にはMPを消費する。
[編集] モンスター合成
後の作品と最も対象的であり、刻命館の象徴とも言えるシステム。モンスターを召還し、侵入者に攻撃を加えたり混乱させたりできる。モンスターの素材には捕らえた侵入者を使う。その組み合わせは様々で、中には本編中では登場しない(人間狩り専用)職業まで必要となる場合もある。攻撃力・範囲はモンスターによって異なり、サイズもまた同様。大きいほどより強力に広範囲を攻撃できるが、その分召還できる場所が限られてしまう。さらに、召還の際のコストも高くなるため、弱いモンスターの方が使い道に長けている場合も少なくない。素材さえ揃っていれば、何の消費もなく作ることが可能。
[編集] トラップ開発
手持ちのトラップを改良して、新たなトラップを作り出す。後の作品と違い、作れるのは基本トラップの上位種に限られる。それぞれ3段階までの改良ができ、効果時間やダメージが伸びる一方、テリトリーも広くなるため、仕掛けられる総数は減ることになる。開発の際にはWarlが必要となる。
[編集] 用語解説
- 刻命館
- ゼメキアとエンゼリオの国境沿いの森に建つ、魔神が封印されていると噂される館。その封印を解いた者はどんな願いも叶うと言われている。
- ゼメキア王国
- この世界に存在する二大大国の一つで魔法王国。
- エンゼリオ帝国
- この世界に存在する二大大国の一つで剣を信奉する。
- 魔導器
- 魔神を復活させるために必要なエネルギーを秘めた物体で、剣や冠、首飾りなど様々な形態をとる。全てを魔神に奉納し人間の魂を捧げることにより、魔神を復活させることができる。また、各魔導器は邪悪な思念を抱く人々を引き寄せる力がある。
- 闇の力
- 魔神と血の契約を交わした者にのみ与えられる邪悪な力で、刻命館内で侵入者を狩るためにトラップを仕掛けたり(「人間狩り」)、館自体を改築したり、狩った人間の魂を合成させモンスターを生成することができる。主人公が新しい刻命館の主となった際、使い魔アスタルテにより与えられ、魔導器を集めるにしたがい使用できる「闇の力」の範囲が広がる。
- Warl
- この世界のお金の単位。アイテムの購入や館の増改築、トラップ開発などに使う。
- 人間狩り
- ミッションクリア後に任意で選択できるゲームパート。職業を選んで侵入者をおびき寄せ、MPやWarl、素材の獲得、アイテムの補給などが行える。ただし、呼び出した職業が必ず来るとは限らない。このパートでのみ登場する職業もある。