冒険企画局
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冒険企画局(ぼうけんきかくきょく)は近藤功司を代表として1987年8月に発足したクリエイター集団。主にテーブルトークRPGやボードゲームを制作。昨今では首都高バトルシリーズ(元気株式会社)等の、コンシューマソフトの開発支援も行っている。
テーブルトークRPGの代表作はウィッチクエスト、サタスペ、迷宮キングダムなど。TRPG製品の販売については、ホビーベースに委託している場合が多い。
代表的な所属クリエイターとして河嶋陶一朗、星宮すみれ、池上りきらがおり、イラストレーターとしては高橋里佳、落合なごみなどが所属している。 かつて所属していたクリエイターに、伏見健二、わきあかつぐみ(藤浪智之)などがいる。 また、関係の深いイラストレーターとしては速水螺旋人が挙げられる。
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[編集] 略歴
1987年8月に、近藤功司を代表として発足。 ウォーロック誌や富士見書房を中心に活動した。この時期の代表作に、ファンタジーRPGクイズ(五竜亭シリーズ)、ウィッチクエストなどがある。この時期はテーブルトークRPGとそれに関連する作品が多く、また「ユキリア世界」という共通ワールド、「アップルベーシック」という共通システムを展開していた。
その後ウォーロック誌の休刊時期を境に、テーブルトークRPG関連の作品の発表は休止状態となり、コンピュータゲームの攻略本などの編集・執筆、コンシューマソフトの開発支援を中心に活動する。またこの時期、近藤功司デザインによるパズルゲーム『あさめしまえにゃんこ』(1994年/スーパーファミコン)も制作した。
2000年代に、同人誌TRPG界で活躍していた河嶋陶一朗がプロ・ゲームデザイナーとなり、冒険企画局所属となったことから、再びテーブルトークRPG作品の発表を再開し、精力的に展開。多くの新しいファン層をつかんでいる。
ただし、この時期のテーブルトークRPG作品は、かつての冒険企画局作品(ユキリア世界系)とは異なり、むしろ河嶋の同人作品(サタスペ等)の作風を受け継ぐものであり、同じ「冒険企画局作品」といっても異なる系統の作品だと見なされることがある。
[編集] 主要作品一覧
[編集] ユキリア世界系
- ファンタジーRPGクイズシリーズ
- レムリカ銃士隊シリーズ
- ウィッチクエスト
- 光と闇のレジェンド
- 百の世界の物語(ファミコン)
[編集] サタスペ・シリーズ
- サタスペ シリーズ
- サタスペ(同人誌として発表)
- サタスペ Re-MIX 99(同人誌として発表)
- サタスペ REmix+
- サタスペ番外地 シリーズ
- サタスペ食べ放題
- サタスペボードゲーム 大大阪
[編集] 迷宮キングダム・シリーズ
- 迷宮キングダム
- 迷宮クロニクル シリーズ
- まよカード シリーズ
- げっちゅーキングダム
[編集] ユキリア世界
近藤功司が基本設定を行った共通ワールド設定で、1980~90年代前半に冒険企画局が展開したファンタジー作品は、この世界に準拠している。
『ファンタジーRPGクイズ』とウィッチクエストの存在が大きいため、それがユキリア世界そのものだと思われがちだが、他にも『レムリカ銃士隊』(三銃士にファンタジー要素が加わったような世界)、『光と闇のレジェンド』(昼と夜の世界、その狭間に存在する黄昏の世界に分かれた世界)など、多彩な面を持っている。
ユキリア世界全体での共通設定は「『竜の人』と『猫の人』という種族が存在する」「ユキリア公という王が世界全体を支配していた」などが公表されているが、共通の年表や世界全体の地図などは発表されていない。
『迷宮キングダム』は「百万迷宮」という、果てしないダンジョン世界を舞台にしているが、これがユキリア世界に属するかは明らかにされていない。