公序良俗
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公序良俗(こうじょりょうぞく)とは、公の秩序または善良の風俗の略であり[1]、これに反する事項を目的とする法律行為は無効とされる。
公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。
– 民法第90条 (公序良俗)
目次 |
[編集] 意義
公の秩序は国家および社会の一般的利益を、善良の風俗は社会の一般的倫理をそれぞれ意味する。しかし両者は一体的に扱われるべきであり、両者を厳密に区別する実益はないとされている。
民法は私的自治の原則を採用しており、私人の生活においてはその自由が尊重される。具体的には、法律行為はその当事者の意図した通りの効果が認められる法律行為自由の原則が挙げられる。しかしながら、法律行為の自由を無制限に認めると、公の秩序や善良の風俗が害されるおそれがある。このため民法は90条において、公序良俗に反する事項を目的とする法律行為を無効としたのである。
なお、民法90条は一般的・概括的に公序良俗に反する法律行為を無効とする規定であるが、民法にはこの他にも、公の秩序を具体化した規定としての強行規定が多数おかれている。
[編集] 類型
公序良俗は様々な角度から用いられるが、大きく次の3つに分類することができる。
[編集] 憲法の人権規定の私人間効力
憲法の人権規定は主として国家と私人の間の関係を規定するものであるが、これが私人間に適用されるかという人権規定の私人間効力問題につき、公序良俗が持ち出されることがある。(例:日産自動車事件)
[編集] 脚注
- ^ 公は「おおやけ」と読む