九五式一型練習機
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九五式一型練習機（きゅうごしきいちがたれんしゅうき）キ-9は、第二次世界大戦前に日本陸軍で採用された練習機である。設計・製造は石川島飛行機（後の立川飛行機）。設計主務者は遠藤良吉技師。アメリカ軍が付けたコード名はSpriuce。
[編集] 概要
1934年（昭和9年）4月に日本陸軍は石川島飛行機に対して、エンジンを換装することにより一種類の機体で初歩練習機にも中間練習機にもなる機体の開発を指示した。当時このような機種は他に例がなく開発が難航することが予想されたが、石川島では開発指示から5ヶ月後の昭和9年の9月に試作1号機を完成させ、続けて試作2号機、3号機が完成した。試作1号機は中島ＮＺエンジン装備の初歩練習機型、2号機と3号機はハ13エンジン装備の中間練習機型であった。木製骨組みに合板・羽布張りの主翼と、鋼管骨組みに羽布張りの胴体を持つ複座の複葉機で、脚支柱は直接胴体に取り付けられていた。陸軍による審査は、1935年（昭和10年）から開始されたが、初歩練習機型はエンジンの出力不足と重心位置の不正による飛行性能不良により失格となった。中間練習機型は、操縦性、安定性とも満足いくものだったため、試作3号機が中間練習機として採用されることになり、昭和10年7月に九五式一型練習機として制式採用された。
生産は昭和10年から開始されたが、その途中で装備の簡略化、エンジン取り付け位置の変更、排気管の形式変更などの改修が行われた。この改修型は九五式一型練習機乙型（キ9乙）と呼ばれ、それまでの機体は九五式一型練習機甲型（キ9甲）となった。生産開始から早い時期に改修が行われたため、生産機の大半が乙型であった。
本機は、安定性、操縦性が優れた機体として陸軍の飛行学校で広く使用され、海軍の九三式中間練習機と並んで「赤トンボ」の愛称で親しまれた。大戦の末期には航空機の性能向上により、本機は九五式三型練習機に代わる初歩練習機としても利用されるようになった。また、基地間の通信、連絡機としても使用された他、大戦の末期には250ｋｇ爆弾を搭載し特攻機として使用された機体もあった。
生産は石川島飛行機（後の立川飛行機）と日本国際航空工業行われ、1944年（昭和19年）までに合計2618機生産された。民間での乗員訓練にも多数の機体が使用された。また、タイに若干機が供与された他、太平洋戦争終結後外地で残存していた機体を接収する形で、中華民国、インドネシアの空軍でも使用された。
[編集] スペック
- 全長： 7.53m
- 全幅： 10.32 m
- 全高： 3.00 m
- 主翼面積： 24.5m2
- 自重： 900 kg
- 全備重量： 1,400 kg
- エンジン： 日立ハ13 空冷9気筒エンジン350HP
- 最大速度： 240km/h
- 航続時間： 3.5h
- 実用上昇限度： 6,000 m
- 乗員： 2名
[編集] 関連項目
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